JFK暗殺事件の闇を暴く鍵か? かつて米軍が画策した”ノースウッズ作戦”の衝撃的な内容とは

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 トランプ政権発足でJFK暗殺事件の真相を明らかにする機密文書が公開されるのか――。その暁に直面する驚愕の真実にショックを受けないための“心の準備”として知っておきたいのが、米ソ冷戦下で計画されていた「ノースウッズ作戦」である。

■JFKが即座に却下した米国人を犠牲にする偽旗作戦とは

 米ソ冷戦下の1962年、ソ連は米フロリダ半島の180kmほど南に浮かぶ島国であるキューバに核弾頭搭載可能な弾道ミサイルを発射できる基地の建設計画を立て、資材を積んだ輸送船団を派遣した。

 戦後最大の全面核戦争の危機であった「キューバ危機」として知られるこの一件は、ギリギリのところでソ連側が折れて撤退したことで事なきを得たのだが、この一件の前後のアメリカでは、キューバ・カストロ政権の転覆が必要不可欠であるとの考えを強めていた。

 1962年に統合参謀本部(JCS)が署名した12ページの報告書には、1960年代のキューバとの戦争を正当化するためにアメリカ国民に対して残虐非道な行為を働く秘密計画の詳細が記されている。

 コードネーム「ノースウッズ作戦(Operation Northwoods)」と呼ばれるこの極秘計画は、全米の主要都市にテロを起こし、首謀者のキューバを非難するアメリカの世論を形成し、共産主義者フィデル・カストロを打倒する戦争を支持させる意図で計画された。

「マイアミ地域、フロリダの他の都市、さらにはワシントンで共産主義キューバのテロ作戦を展開することも可能だ」と文書には記されており、キューバに対するアメリカ人の敵意を煽ることを目的としていた。

 文書では政府当局が自国の兵士を殺害することさえ提案し「グアンタナモ湾の米艦船を爆破してキューバのせいにすることも可能だ」、また「アメリカの新聞に犠牲者リストを掲載すれば、国民の憤りを助長するだろう」と記している。

 ノースウッズ作戦の提案は「キューバへの米国の軍事介入の正当化」と題された計画書の一部として起草された。

 この極秘の草案メモは国防総省(DoD)と統合参謀本部によって書かれ、1962年に当時の国防長官ロバート・マクナマラに提出された。

ロバート・マクナマラ 画像は「Wikipedia」より

「敵対的なキューバ軍による背後関係を本物らしく見せるために、グアンタナモとその周辺で一連のよく調整された事件が計画される」と文書には書かれている。

 計画には、噂を流すことから「軍服を着た友好的なキューバ人を上陸させて軍事基地でパフォーマンスを披露し、施設内で弾薬を爆破する」ことまで多岐に及んでいた。

 さらに「空軍基地で航空機を燃やす」計画や、特定されていない基地の港湾入口付近で船を沈めて「模擬犠牲者の葬儀を行う」計画も含まれていた。

 時の大統領、ジョン・F・ケネディ(JFK)は、ノースウッズ作戦の報告書が大統領執務室に届けられたとき、この計画を即座に却下したといわれている。そしてその翌年の1963年11月、JFKはテキサス州ダラスで暗殺される。

 この衝撃的な文書は、JFK暗殺記録審査委員会が1962年から1964年までの1521ページに及ぶかつて機密扱いされていた軍事記録の一部として2001年にオンラインで公開されるまで、ほぼ40年間秘密にされてきたのだ。

 トランプ大統領の権限(大統領令)で公開されるといわれているJFK暗殺事件関連文書に、はたしてこのノースウッズ作戦に関する文書があるのだろうか。近く公開されるであろうJFK暗殺関連文書に注目していきたい。

参考:「Daily Mail」ほか


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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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