世界の未解読文字9選! 人類がいまだ読み解けない“謎の文字”たち
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人類の歴史には、いまだ解読されていない文字が数多く存在する。これらはかつて栄えた文明が残した貴重な記録でありながら、その意味が謎に包まれたままだ。ロゼッタ・ストーンのような解読の手がかりがないため、研究者たちは試行錯誤しながらその解明を試みている。今回は、未解読の古代文字をいくつか紹介しよう。
インダス文字
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インダス文明(紀元前2600年~1900年)は、現在のパキスタンやインド北西部に広がった高度な都市文明である。モヘンジョ・ダロやハラッパーなどの計画的な都市遺跡が残されているが、彼らが使用していたインダス文字は未解読のままだ。
言語の基盤が不明であり、対訳のある資料も存在しないため、その構造を分析することしかできない。シュメール楔形文字やマヤ文字と同じ「表語音節文字」の可能性が指摘されているが、完全な解読には至っていない。
線文字A
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1893年、イギリスの考古学者アーサー・エヴァンズは、アテネの蚤の市で謎の文字が刻まれた石を手に入れた。その後、クレタ島のクノッソス宮殿の発掘現場で同じ文字を発見し、「線文字A」と「線文字B」に分類した。
線文字Bは1950年代にギリシャ語の一種と判明し解読されたが、線文字Aはいまだ不明である。両者には共通する記号も見られるが、線文字Aがどの言語を表しているのかは依然として謎だ。
クレタ島の象形文字
クレタ島では線文字AやBとは異なる象形文字も発見されている。線文字Aと似た記号が含まれていることから、象形文字が発展して線文字Aになった可能性も指摘されているが、両者は同時期に使用されていたとされ、その関係は不明のままだ。
ワディ・エル・ホル文字
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1990年代、エジプトのワディ・エル・ホル渓谷の崖で、イェール大学の考古学者が未知の文字を発見した。象形文字からアルファベットへの移行期のものと考えられるが、解読には至っていない。
シトヴォ碑文
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1928年、ブルガリアの森林で木こりたちが岩に刻まれた謎の文字を発見した。財宝の印と考えたが、何も見つからなかった。その後、考古学者たちが調査したが、この文字がどの言語に属するのかは不明である。
オルメカ文字
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オルメカ文明は、メキシコで栄えた最古の文明のひとつであり、「巨石人頭像」で有名だ。1999年、道路工事の際に発見された「カスカハル石板」には62種類の記号が刻まれており、これは西半球最古の文字体系とされるが、その意味はまだ解明されていない。
シンガポール・ストーン
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19世紀、シンガポール川の河口で、約700年間埋もれていたとされる巨大な砂岩の石板が発見された。しかし、1819年にイギリス軍が要塞を建設する際に破壊され、多くが道路の舗装材として使われてしまった。
一部の破片は保存されているが、刻まれていた文字は解読されておらず、古代セイロン語、タミル語、カウィ語、古ジャワ語、サンスクリット語の可能性が指摘されている。
ロンゴロンゴ
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19世紀、宣教師たちがイースター島を訪れた際、木の板に刻まれた「ロンゴロンゴ」と呼ばれる謎の文字を発見した。しかし、島の住民によると、ペルーからの侵略者によって知識人が皆殺しにされ、文字の意味は失われてしまったという。
さらに、木板は燃料や釣り道具として使われ、19世紀末にはほとんどが消失した。ロンゴロンゴは、1行ごとに読み進める方向が変わる「ブーストロフェドン」という特殊な記述方法が特徴的だが、その意味はいまだ不明である。
原エラム文字
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5000年以上前、現在のイランにあたる地域で使用されていた「原エラム文字」は、右から左に書かれる独自の文字体系である。メソポタミアの影響を受けて誕生したとされるが、記号の体系化がされておらず、解読は難航している。
2012年、オックスフォード大学の研究チームが解読に向けて高解像度の画像を公開し、一般の人々にも協力を呼びかけたが、今のところ成功には至っていない。
これらの未解読文字は、古代文明の知識や文化を知る貴重な手がかりである。しかし、言語の基盤が不明だったり、使用された文脈が限定的だったりするため、解読の難易度は非常に高い。今後の研究や新たな発見によって、その謎が解き明かされる日が来ることを期待したい。
参考:Mental Floss、ほか
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2024.10.02 20:00心霊世界の未解読文字9選! 人類がいまだ読み解けない“謎の文字”たちのページです。文字、線文字A、解読などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで