人類史上最巧の暗号・パズル7選! 鬼工球、賢者の石、謎の日記… 難解すぎて悶絶

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 古代シチリアでは、数学者がカラフルな14ピースから成るパズルを作って友人らを悩ませた。14世紀の中国では、職人が複雑なデザインを象牙の地球儀に刻み、秘密を隠した。17世紀のイギリスでは、若い牧師が夕食時に敵の暗号を解けるかどうかを賭けた。

 いつの時代もパズルや暗号は人々を魅了してきた。そんな中でも、歴史上に燦然と輝く7つの傑作を紹介しよう。

■永遠の命を得るための錬金術師の秘密の暗号

 17世紀、医師であり錬金術師でもあったアーサー・ディーは、永遠の命を得られるいう霊薬「賢者の石」の秘密のレシピを発見した。彼は複雑な秘密の暗号でレシピを書き記し、自らの発見について誰にも話さなかった。何世紀もの間、ディーのノートとその中に隠されていたレシピは見過ごされてきたが、3人の学者が協力してレシピの暗号を解読するのに成功した。残念ながら、レシピが実際に不老不死の効果をもたらすのかどうかは不明である。

■ファッションリングとしても使えるローマのパズル石

 古代ローマでは、誰かに現金を送る際、ファッションリングのようなパズル石を使って強盗被害を防いでいたとされる。現金を入れたポーチに円形のパズル石で鍵をかける。このポーチを受け取った人は、スイッチを操作して、隠された小さな鍵穴を見つける。そして、自分が持っている鍵でパズル石を開錠する。このパズル石は(当時の技術では考えられないほど)非常に精巧な作りだったため、その存在を聞いたパズル史家のジェリー・スローカムですら最初はでたらめだと思ったという。

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画像は、「Atlas Obscura」より

■古代中国の複雑な模様のパズルボール

 古代中国では「鬼工球」と呼ばれるパズルボールが作られた。鬼工球は手彫りの象牙製の玉で、入れ子構造になっており、華やかな幾何学的デザインを特徴とする。模様が複雑すぎて人間には作れないと考える者もいたほどだった。中国が2017年に国内の象牙交易を禁止した後、鬼工球は作られなくなった。しかし、鬼工球の製作法と歴史は、その模様と同じくらい複雑で謎に包まれている。

■英国の暗号研究者が解読した手紙

 1643年、若き聖職者のジョン・ウォリスは、ロンドンで開催されたディナーパーティーに参加していたとき、他のゲストが政治に関するゴシップを話しているのを耳にした。当時は、1642~51年の9年間にわたって騎士党(王党派)と円頂党(議会派)が軍事衝突を繰り返すイングランド内戦の最中だった。話によればチチェスター包囲戦で敵の手紙を入手したものの、誰もその手紙の暗号を解読できずにいるという。ウォリスは解読を申し出て、その夜寝る前には実際に成功した。ウォリスが暗号研究者としての道を歩み始める第一歩となる出来事だった。

 2020年10月7日、イギリスのドミニク・ウィンター・オークションは、ウォリスによって解読された53通の手紙のコレクションを29,000ポンド(約460万円)で販売した。だが、これらの手紙はウォリスの暗号解読の方法を明らかにするものではなかった。

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画像は、「Atlas Obscura」より

■政府の秘密を解き明かしたヴェネツィアの暗号研究者

 ルネッサンス期にイタリアで活躍した暗号研究者のジョヴァンニ・ソロは「現代暗号学の父」と呼ばれる。1500年代初頭、フランス人はソロの暗号解読の技術に惚れ込み、ソロを「神に触発された」人であると評価した。教皇でさえソロに暗号解読を依頼したほどだった。ソロは人生の大半をヴェネツィア政府のもとで、外交と軍に関連する手紙を解読する役割を担った。後にイタリア語、フランス語、スペイン語、ラテン語で暗号化と暗号解読に関する論文を執筆したが、その論文は現存していない。もはや暗号にまつわる知見それ自体が、失われた大いなる暗号となってしまった。

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画像は、「Atlas Obscura」より

■ビアトリクス・ポターの暗号化された日記

 英国の絵本作家ビアトリクス・ポターはピーターラビットの生みの親として有名である。19世紀後半、10代のポターは「誰もこれを読めないでしょう」というメモ書きとともに暗号を記した。ポターは15年間、換字式暗号(1文字または数文字単位で別の文字や記号などに変換された暗号文)を使用して日記を描き続けた。これらの日記はポターの死後、ほとんど忘れ去られていた。後に、ポッターの愛好家でコレクターのレスリー・リンダーが日記を手に入れ、試行錯誤の末にこれを解読した。

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画像は、「Atlas Obscura」より

■秘密の国際パズルパーティー

 毎年、世界のどこかで招待者限定のパズルパーティーが開催される。パーティーはパズルを愛してやまないコレクター、職人、ファンが集まって最新のパズルに挑戦する目的で1978年に始まった。これまでに米国、ヨーロッパ、日本がパーティー会場となってきた。プレスはパーティーで招待されず、パーティーに関する情報は事後にのみ公開される。週末の数日間が宴会、講義、ツアー、パーティー、そして参加者が互いにパズルを共有する「交換」で構成されているが、そもそもチケットを手に入れるのが非常に難しいとされ、もはやこのイベント自体が壮大なパズルと言えそうだ。

参考:「Atlas Obscura」、ほか

 

※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。

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