「ミステリーサークルは犯罪です」イギリス警察が異例の警告!不法侵入と盗難の連鎖とは

夏のイギリスの田園風景に突如として現れる、巨大で幾何学的な模様「ミステリーサークル(クロップサークル)」。宇宙人の仕業か、あるいは超自然現象か。その謎と美しさは長年、世界中の人々を魅了してきた。
しかし、その聖地ともいえるウィルトシャー州の警察が、この神秘的な現象に「待った」をかけた。彼らが発表した声明は、ロマンに水を差す、しかし極めて現実的な内容だった。「土地所有者の許可なくミステリーサークルを作ることは、器物損壊罪にあたる違法な行為である」と。
アートが呼ぶ新たな犯罪― 不法侵入と盗難の連鎖
ウィルトシャー警察が本当に懸念しているのは、サークルそのものの謎ではない。むしろ、その出現によって引き起こされる、二次的な犯罪の連鎖だ。
声明によれば、巨大なミステリーサークルが出現すると、その場所は瞬く間に注目の的となる。すると、見物しようとする人々が土地に不法侵入したり、無許可でドローンを飛ばしたりするケースが後を絶たない。さらに悪質なことに、その混乱に乗じて畑から作物を盗むといった輩まで現れるという。
美しいアートは、結果的に農家にとっては深刻な経済的ダメージと、招かれざる客がもたらす頭痛の種になってしまうのだ。このため警察は農家に対して、もし見物人を歓迎しないのであれば「立ち入り禁止」の表示を明確に掲示するようアドバイスしている。逆に見物人を受け入れる場合は、その安全に対する責任が生じるため、事前に保険会社に相談すべきだと注意を促した。

謎と現実の狭間で揺れる農家たち
警察がなぜ今、改めて警告を出したのか、そのきっかけは定かではない。今シーズン、イングランドで発見されたミステリーサークルはまだ2つだけだという。
しかし、農家たちの対応はすでに分かれている。最初のサークルの所有者は、これをビジネスチャンスと捉え、見物人から入場料を徴収した。一方で2つ目のサークルの所有者は、発見のわずか1日後に模様を破壊してしまった。
宇宙の謎か、はたまた壮大なアートか。多くの人がロマンを馳せるこの現象は、地元にとっては「作物へのダメージ」と「犯罪の温床」という極めて現実的な問題なのである。警察の警告は、ミステリーサークルの神秘的なベールの裏に隠された、もう一つの顔を私たちに突きつけているのかもしれない。
参考:Coast to Coast AM、ほか
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