“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像1
パブリック・ドメイン, リンク

 丘の斜面や広大な平原に描かれた、巨大な図形やシンボル。地上絵(ジオグリフ)と呼ばれるこれらの古代の芸術は、暗い色の石をモザイクのように配置したり、地面の表層を削り取って下の明るい層を露出させたりする技法で作られている。

 その多くは、あまりに巨大であるため、地上からではその全貌を把握することができず、空高くから見下ろして初めて、その意味のある形を認識できる。

 一体、誰が、何のために、そして「誰に」見せるために、これらの壮大な地上絵を創造したのだろうか。

1. ナスカの地上絵(ペルー)

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像2
Roger Canals – Imported from 500px (archived version) by the Archive Team. (detail page), CC0, リンクによる

 地上絵と聞いて、ほとんどの人が真っ先に思い浮かべるのが、ペルーのナスカ砂漠に広がるこの巨大な図形群であろう。

 ナスカ文化によって描かれたとされるこれらの地上絵は、単純な直線から、ハチドリやサル、クモといった複雑な動植物の姿、そして幾何学模様まで、数百もの図形で構成されている。その目的は、雨乞いの儀式のため、あるいは宇宙へのメッセージのためなど、諸説あるが、未だに完全な解明には至っていない。

2. ステップの地上絵(トゥルガイの地上絵)(カザフスタン)

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像3
By Contains modified Copernicus Sentinel data 2022, Attribution, Link

 近年発見された中でも、特に注目を集めているのが、カザフスタンの草原地帯に広がる「ステップの地上絵」である。2007年、考古学好きの一人の経済学者が、Google Earthを使って偶然発見した。

 これまでに見つかった図形は260以上。その中でも最大のものは、101個の盛り土で構成された巨大な正方形で、その大きさはクフ王のピラミッドを超える。また、3本のアームを持つ鉤十字(スワスティカ)のような奇妙な図形も存在する。

 考古学者たちは、これらの地上絵が紀元前7000年から5000年にかけてこの地で栄えたマハンジャル文化に関連していると考えており、最も古いものは、ストーンヘンジのように太陽を観測するための天文台として機能していた可能性を指摘している。

3. サウジアラビアの石の構造物

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像4
画像は「The Ancient Code」より

 Google Earthの衛星画像によって、サウジアラビアの砂漠地帯にも、数千年前のものとされる約400もの謎の石の構造物が存在することが明らかになった。

「ゲート」と呼ばれるこれらの構造物は、最も小さいものでも長さ13メートル、最大のものはなんと518メートルにも及ぶ。考古学者たちは、これらが約7000年前に作られたと考えているが、その目的や意味については、全くの手がかりがない。

4. チリの巨大地上絵群

 南米チリのアタカマ砂漠は、世界で最も多くの地上絵が集中する場所の一つであり、最も古いものもここで発見されている。

チサの地上絵:人間の姿や鳥、動物などをかたどった一連の地上絵。紀元後500年から900年にかけて作られたとされ、山の斜面に描かれているため、地上からでも見ることができる。

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像5
Por Roberto EttoreTrabajo propio, CC BY 3.0, Enlace

ピインタドの地上絵:人型や様々なシンボルが描かれているが、ナスカの地上絵と同様に、空から見ることでその真価が発揮される。

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像6
By Diego Delso, CC BY-SA 4.0, Link

チュグ・チュグの地上絵:紀元前1000年にまで遡る、最も古い地上絵を含む遺跡群。かつてこの地を通っていた古代のキャラバン(隊商)ルートに沿って、人間やリャマ、鳥、そして幾何学模様など、約500もの図形が残されている。

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”の画像7
By Woreczko JanOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

 これらの地上絵は、古代の人々が、我々が思うよりも遥かに高度な知識と、壮大な世界観を持っていたことを示唆している。そして、空からしか見えないというその性質は、彼らが大地だけでなく、天空に存在する「誰か」に向けて、何らかのメッセージを送っていたのではないかという、壮大なロマンを我々にかき立てるのだ。

参考:The Ancient Code、ほか

関連キーワード:,
TOCANA編集部

TOCANA/トカナ|UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

“神々へのメッセージ”なのか ― 世界各地に眠る空からしか見えない“謎の巨大地上絵”のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで