恒星間天体「3I/ATLAS」彗星の常識を覆す不可解な動き… 太陽に向かって“逆走”するジェット

太陽系の外から飛来した謎の訪問者「3I/ATLAS」。その正体をめぐる論争が激化する中、天文学者たちをさらに困惑させる、驚くべき現象が観測された。この天体が、彗星の物理法則を完全に無視し、太陽に向かってガスや塵を噴射する「逆向きのジェット」を放っていたのだ。これは、3I/ATLASがただの彗星ではないことを示す、決定的な証拠なのだろうか。
「ありえない方向」へ伸びるジェット―常識を覆す観測結果
彗星の尾は、太陽から吹き付ける太陽風や放射圧によって、必ず太陽とは反対の方向へとなびく。これは天文学の基本的な常識だ。しかし、3I/ATLASは、その常識をあざ笑うかのような動きを見せた。
8月、カナリア諸島にある望遠鏡が捉えた画像には、天体の核から太陽の方向に向かって、約6kmにもわたって伸びる、かすかなジェットがはっきりと写っていたのだ。さらに、その数週間前には、ハッブル宇宙望遠鏡も同様に、太陽の方向へ伸びる輝きを観測していた。
ハーバード大学の著名な天文学者、アヴィ・ローブ教授は、この現象の衝撃を、こう表現する。「これは、あなたの家族が野良猫だと思っていた動物の写真を撮ったら、その額から尻尾が生えていたのを見るのと同じくらい、ショッキングなことだ」

なぜ専門家たちは“異常”を無視するのか?
ローブ教授がさらに問題を複雑にしていると指摘するのは、他の天文学者たちの反応だ。彼らは、これらの画像を「3I/ATLASが彗星のように活動している証拠だ」と歓迎しながらも、そのジェットが「ありえない方向」を向いているという、最も重要な異常を無視している、とローブ教授は批判する。
なぜ、ジェットは太陽に向かって伸びているのか。ローブ教授は、いくつかの可能性を挙げる。一つは、天体が太陽光の影響を受けにくい、非常に重い粒子を放出している可能性。もう一つは、我々がまだ知らない、全く新しいタイプのガス噴出メカニズムが働いている可能性だ。そして、もちろん、彼が提唱し続ける「地球外生命体の宇宙船説」も、その選択肢の一つである。
10月29日、審判の時―崩壊か、それとも“プローブ放出”か

この長きにわたる論争に、まもなく終止符が打たれるかもしれない。審判の日は、10月29日。3I/ATLASが、太陽に最も接近する日だ。
ローブ教授によれば、もし3I/ATLASが本当にただの彗星ならば、太陽の強烈な熱と重力によって、「粉々に崩壊するはず」だという。もし、その日を過ぎても天体がその姿を保ち続けていたとしたら、それは人工物である可能性が極めて高くなるというのだ。
欧州宇宙機関(ESA)の木星探査機「JUICE」は、この歴史的瞬間を特等席で観測する予定だ。3I/ATLASは、彗星として崩壊し、小さな光の点となって消えていくのか。それとも、ローブ教授が予測するように、「技術的な母船として、小型の探査機(ミニ・プローブ)を放出する」のか。
太陽系を訪れた謎の訪問者が、その正体を明らかにする日は、もうすぐそこまで迫っている。世界中の天文学者たちが、固唾を飲んで、その瞬間を見守っている。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊恒星間天体「3I/ATLAS」彗星の常識を覆す不可解な動き… 太陽に向かって“逆走”するジェットのページです。彗星、恒星間天体、3I/ATLASなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで