タイムトラベラーは実在する?ジョン・タイターから絵画の謎まで、世界が驚いた9つの“タイムトラベル”事例

映画『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をはじめ、タイムトラベルはSF作品の定番テーマだ。過去を訪れ、未来を覗き見るというコンセプトは、時代を超えて人々の好奇心を刺激し続けてきた。
しかし、もしそれが空想の産物ではなく、現実だとしたら?
世界には、自らをタイムトラベラーだと名乗る者や、古い芸術作品の中に未来の証拠を見つけたと主張する人々がいる。ここでは、世界で語り継がれる「本物のタイムトラベラー」とされる9つの奇妙な事例を紹介しよう。
1. 絵画の中のスマホを持つ少女

1860年に描かれた絵画『期待』。そこには花を持つ少年が少女を待つ姿が描かれているが、少女の手元に注目すると、まるで現代のスマートフォンを夢中で操作しているかのように見える。SNSでは「彼女こそタイムトラベラーだ」と大きな話題になったが、美術史家によれば、これは19世紀に広く使われていた小さな「祈祷書」である可能性が高いという。
2. ヴェルサイユ宮殿のタイムスリップ

1911年、イギリス人女性のシャルロット・モーバリーとエレノア・ジョルダンの2人が、ヴェルサイユ宮殿の離宮プチ・トリアノンを訪問。その際、突如として周囲の風景が変わり、17世紀の衣装を着た人々や、かのマリー・アントワネット本人を目撃したと主張した。彼女たちの体験談をまとめた本はベストセラーになったが、同時に多くの嘲笑も浴びた。真相は今も謎に包まれている。
3. ニューヨークに現れたヴィクトリア朝の紳士
ニューヨークのタイムズスクエアに、19世紀の服装をしたルドルフ・フェンツという男性が突如現れ、車にはねられ即死した――。彼の所持品には1867年付の手紙などがあり、後の調査で1867年に行方不明になった同名の人物がいた、という有名な都市伝説だ。しかし、これは作家ジャック・フィニーが1950年に発表した短編小説が元ネタであり、完全な創作である。
4. 1943年の写真に写るスマホ男

1943年にイギリスの海岸で撮影された一枚の写真。大勢の人が写る中、中央に立つスーツ姿の男性が、スマートフォンのようなものを操作しているように見える。この写真がネットで拡散し、タイムトラベラーの証拠だと騒がれたが、写真を公開した専門家本人は「彼はおそらく、手巻きタバコを巻いているだけだろう」と冷静に分析している。
5. 海軍の極秘実験「フィラデルフィア計画」

1943年、米海軍が駆逐艦エルドリッジをレーダーから見えなくする極秘実験を行った、という有名な都市伝説。噂によれば、実験は失敗し、船はバージニア州ノーフォークへ瞬間移動し、さらには10秒間だけ過去へタイムスリップしたという。ある男は、この実験で未来に飛ばされたとまで主張したが、米海軍は一貫して実験の存在そのものを否定している。
6. 自作タイムマシンで消えた「狂人マイク」

1995年、ミズーリ州に住むマイク・マーカムという男がラジオ番組で「自作のタイムマシンで未来へ行く」と宣言。彼は地元の電力会社から変圧器を盗んで装置を作り、街全体を停電させる騒ぎを起こした。その後、1997年に忽然と姿を消し、「本当にタイムトラベルしたのでは」と噂になったが、実際には2015年に別の州でひっそりと発見されている。
7. 伝説のタイムトラベラー「ジョン・タイター」
2000年、インターネットの掲示板に「2036年から来た軍人」を名乗るジョン・タイターが現れた。彼の使命は、未来で失われた技術を回収するため、旧式のコンピューター「IBM 5100」を入手すること。彼はタイムマシンの構造や未来の出来事を驚くほど詳細に語り、世界的な現象となったが、彼の予言は一つも当たらず、現在では誰かが作り上げた壮大なインターネット上の創作だと考えられている。
8. 株で3億5000万ドル稼いだ未来人

2003年、アンドリュー・カールシンという男が、わずか800ドルを元手に126回の株取引で3億5000万ドルを稼ぎ出し、インサイダー取引の容疑で逮捕された。取り調べに対し、彼は「自分は2200年代から来たタイムトラベラーだ」と告白したという。しかし、このセンセーショナルな話は、風刺ニュースサイトが報じたジョーク記事であり、カールシンという人物は実在しない。
9. 1958年から来た男、セルゲイ・ポノマレンコ

2006年、ウクライナの首都キーウに、混乱した様子で「自分は1958年から来た」と主張する男性が出現した。彼はソ連時代の身分証や50年代の写真などを所持していたが、警察署から忽然と姿を消してしまう。このミステリアスな事件は、実はウクライナのテレビ番組『エイリアン』の筋書きと完全に一致しており、番組のプロモーションの一環だった可能性が高い。
夢とロマンが紡ぎ出す物語
紹介した事例のほとんどは、作り話や勘違い、あるいは風刺記事が元ネタだった。しかし、それでも人々がタイムトラベルの物語に魅了されるのはなぜだろうか。それは、過去への郷愁や未来への希望、そして「もしも」の世界を夢見る人間の探究心が、時を超えるという壮大なロマンを求め続けるからなのかもしれない。
参考:ODDEE、ほか
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