イーロン・マスク「年末までに“空飛ぶクルマ”を披露する」―『ジェームズ・ボンドの車を全部合わせたよりクレイジー』と豪語

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 イーロン・マスク氏が、人気ポッドキャスト番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」に出演し、またしても世界を驚かせる爆弾発言を投下した。彼が年末までにデモンストレーションしたいもの、それはなんと「空飛ぶクルマ」だという。

「私が保証できることの一つは、この製品デモが忘れられないものになるということです。良くも悪くもね」。マスク氏はそう不敵に笑い、謎めいた発表への期待を極限まで煽った。果たして、これは人類の移動に革命を起こす狼煙なのか、それともまた壮大な“口約束”に終わるのだろうか。

「車ですらないかもしれない」―謎に包まれた新型ロードスターの正体

 この「空飛ぶクルマ」構想は、長年発売が延期されているテスラの新型「ロードスター」の文脈で語られた。ローガン氏がロードスターの現状を尋ねると、マスク氏は言葉を濁しながらも、その車が“飛ぶ”ことを示唆し始めた。

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Gage Skidmore – https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/54820081119/, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

「プロトタイプのデモが近づいている…」と長い沈黙の後に語り始めたマスク氏。「ピーター・ティール(著名な投資家)はかつて、未来には空飛ぶクルマがあるはずだったのに、我々はそれを持っていない、と嘆いた。もしピーターが空飛ぶクルマを欲しがるなら、我々はそれを買えるようにすべきだと思うんだ」

 マスク氏は詳細な説明を避けつつも、「これまでのジェームズ・ボンドの車をすべて組み合わせたよりもクレイジーだ」とその革新性を強調。「あれはもはや車と呼べるのか?私にも分からない。見た目は車だがね」と、既存の概念を覆す乗り物であることを匂わせた。

 この発言から、彼が開発しているのは道路を走行するのではなく、ヘリコプターのように垂直に離着陸する「VTOL(垂直離着陸機)」である可能性も浮上している。

壮大な“口約束”か、それとも革命か?マスク氏の過去の実績

 マスク氏が壮大な構想を発表するのは、これが初めてではない。過去にも彼は、超高速輸送システム「ハイパーループ」や、都市の地下トンネルを自動運転車が時速250kmで駆け抜ける「Loopシステム」といった、未来的なプロジェクトを打ち出してきた。

 しかし、現実にラスベガスで完成したLoopシステムは、人間のドライバーが運転する通常のテスラ車が、低速で人々を運ぶものだった。約束された「16人乗りの自動運転ポッド」は、そこにはなかった。

 つまり、マスク氏が年末に「空飛ぶクルマ」のデモを行ったとしても、それがすぐに市場に出回る製品と同じものとは限らない。過去には、自動運転の二人乗りタクシー「サイバーキャブ」のプロトタイプも発表されたが、1年以上経った今も市販される気配はない。彼の発表は、あくまで「プロトタイプ」であり、壮大な構想が現実の壁にぶつかり、形を変えることは珍しくないのだ。

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全ては話題作り?空飛ぶクルマが直面する現実の壁

 そもそも「空飛ぶクルマ」というコンセプトは、1世紀以上も前から存在するが、いまだに普及には至っていない。それには明確な理由がある。

安全性: 自動車の運転よりもはるかに複雑で危険な飛行を、一般人が安全に行うことは極めて難しい。
規制: 乗客を乗せて飛行するには、パイロット免許が必要となる。自動運転にするにしても、無数の機体が飛び交う空の交通管制をどうするのかという巨大な課題が残る。
市場規模: これほどの課題をクリアしてまで、高価で危険な乗り物を欲しがる市場がどれほど存在するのか。

 今回の発表が、販売不振に陥っているテスラの現状から世間の目をそらすための、派手なパフォーマンスである可能性も指摘されている。

 イーロン・マスク氏が描く未来は、常に魅力的で人々の心を躍らせる。年末、私たちは本当に「忘れられない」光景を目撃することになるのかもしれない。しかし、その光景が、私たちの生活を本当に変える革命の始まりなのか、それとも一瞬のきらめきで終わる花火なのか。世界中が固唾を飲んで見守っているが、あまり期待しすぎない方が賢明かもしれない。

参考:Unexplained MysteriesGizmodo、ほか

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