人類に隠された“第七感”、触らずに物体を探知する能力がAIロボットを超える

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、そして触覚。これら一般的に知られる五感に加え、人間にはまだ知られていない、驚くべき感覚が隠されていたのかもしれない。ロンドン大学の研究チームが、直感などを指す“第六感”とは異なる、物理的な感覚として、人間が「触れることなく」物体を感知する、驚異的な能力を持っていることを突き止めたのだ。
研究者たちが「第七感(リモートタッチ)」と名付けたこの能力は、かつては一部の鳥類だけが持つ特殊な能力だと考えられていた。しかし、人間もまた、砂の中に隠された物体を、その指先で“感じる”ことができるという。
砂の中の獲物を見つける鳥の“超能力”
ミユビシギやチドリといった水辺の鳥は、砂の中に隠れた獲物を見つけ出す名人だ。彼らは、くちばしを砂に突き刺し、砂という媒体を通して伝わってくる微細な機械的振動を感知することで、目に見えない獲物の位置を正確に特定する。
これまで、この「リモートタッチ」は、彼らのような特殊な鳥だけが持つ進化の賜物だと考えられてきた。しかし、ロンドン大学クイーン・メアリー校の研究チームは、「もしかしたら人間にも、この能力が眠っているのではないか?」という大胆な仮説を立てた。
砂の中の“キューブ”を探せ―人間vs.ロボットの驚くべき結果
研究チームは、この仮説を検証するため、人間とロボットを使った比較実験を行った。実験内容は、被験者に目隠しをさせ、砂の中に埋められた小さなキューブを指先で探してもらうというものだ。
結果は驚くべきものだった。参加者たちは、実際にキューブに触れる前に、その存在を感知することができたのだ。彼らは、指先が物体に近づくにつれて、砂がわずかに変化するのを感じ取り、キューブの位置を特定した。人間の指先は、私たちが思っているよりもはるかに敏感で、物理的な検出限界に迫るほどの微細な変化を捉える能力を持っていたのだ。

さらに驚くべきは、ロボットとの比較結果だ。研究チームは、人間のパフォーマンスに匹敵するように訓練された、触覚センサー付きのロボットアームを用意。しかし、結果は人間の圧勝だった。
人間の正答率: 70.7%
ロボットの正答率: 40%
ロボットは、何もない場所を「物体あり」と誤認するケースが多く、精度において人間に大きく劣った。人間の“第七感”は、最先端のAIロボットさえも凌駕する、驚異的な能力だったのである。

考古学から火星探査まで―「第七感」が拓く未来
この「第七感」の発見は、私たちの知覚の世界を広げるだけでなく、未来のテクノロジーに革命をもたらす可能性を秘めている。
研究チームの一員であるチェン博士は、「この発見は、人間の触覚を拡張するツールや支援技術の設計に新たな可能性を開きます」と語る。例えば、以下のような応用が考えられるという。
考古学: 遺跡を傷つけることなく、地中に埋まった遺物を発見する。
宇宙探査: 火星の土壌や海底といった、砂や粒子で覆われた地形を探査する。
災害救助: 瓦礫の下に埋まった生存者を、より安全かつ効果的に発見する。
人間とロボットの研究が互いに影響を与え合い、新たな発見を生み出した今回の研究。それは、心理学、ロボット工学、そしてAIが融合することで、人間の未知なる能力を解き明かし、同時に革新的な技術を生み出すことができるという、素晴らしい実例となった。
私たちの指先に眠る、未だ解明されざる“第七感”。その力が完全に解き放たれた時、人類の知覚は、新たなステージへと進化するのかもしれない。
参考:The Debrief、ほか
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