「不気味の谷」の最深部へ… 中国が開発した“人間すぎる”ロボットの顔がリアルすぎて怖い

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画像は「X」より

 機械と人間の境界線が、また一つ曖昧になった。中国のロボット企業が公開した一本の動画が、その驚異的なリアルさで、世界中の人々を賞賛と不安の渦に巻き込んでいる。

 動画に映し出されているのは、ヒューマノイドロボットの頭部だ。ゆっくりと瞬きをし、訝しげな表情で部屋を見回す。その動きはあまりに繊細で、まるでマネキンが突然、自らの意志で呼吸を始めたかのような、 かすかでありながらも、どこか不安にさせる感覚を呼び起こす。

ウエストワールドは、思ったよりずっと近かったようだ」。あるネットユーザーは、人気SFドラマになぞらえてそう呟いた。

“本物の感情”を表現するAIアルゴリズム

 この衝撃的なデモンストレーションを披露したのは、中国・杭州に拠点を置くロボット企業「AheadForm」である。同社によれば、この驚異的なリアルさを実現する秘密は、「自己教師ありAIアルゴリズム」と、先進的な「バイオニック・アクチュエーション(生体模倣駆動)」技術の組み合わせにあるという。

 この技術により、ロボットは「本物の感情と、本物そっくりの表情」を表現できると、同社は主張する。

 AheadForm社は、すでに「超リアルな」ヒューマノイド「エルフ」シリーズの開発に着手している。彼らは周囲の世界を認識し、コミュニケーションを取り、学び、そして知的に対話することができるという。

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画像は「AheadForm」より

20年後、ロボットは我々の中を歩いている

 多くのロボット企業が、人間の労働力を代替するための「生産性」に焦点を当てているのに対し、AheadForm社は異なるアプローチを取る。彼らは、人間がロボットをより容易に受け入れるためには、表情豊かで感情的な機械が必要だと考えているのだ。

 同社の創設者であるHu Yuhang氏は、人間とロボットの境界線は今後ますます曖昧になっていくだろうと予測する。

「10年以内には、我々はロボットと対話し、彼らをほとんど人間のように感じるようになるかもしれない。そして20年後には、彼らは普通に歩き、人間と全く同じようにいくつかのタスクをこなしているだろう」。

不気味の谷か、有益な飛躍か

 もちろん、ヒューマノイドロボットの未来について、誰もが楽観的なわけではない。二足歩行ロボットが本当に答えなのか、という疑問の声も根強い。特定の目的に特化した産業用ロボットの方が、常に優れた選択肢であり続けるという主張だ。

 そして何より、AheadForm社のロボットが見せる、あまりに人間的な、そしてどこか探るような眼差しは、多くの人々を不安にさせる。「不気味の谷」現象――ロボットが人間に似すぎることによって、かえって強い嫌悪感を抱かせるという、あの心理的な壁である。

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画像は「X」より

 我々は今、「不気味の谷」に足を踏み入れてしまったのか。それとも、人間とロボットが共存する未来への、有益な一歩を踏み出したのか。

 AheadForm社は、人間とロボットの対話をより「自然で魅力的なもの」にすることを目指している。しかし、彼らのロボットが持つ、不穏なほどに探るような瞳を見ていると、その目標達成が容易な道のりではないことだけは、確かな気がする。

参考:Coast to Coast AMFuturism、ほか

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