「我々はどこにでもいる」米軍の心理戦部隊が公開した“不気味すぎる募集動画”の全貌

アメリカ陸軍の中でも特に謎に包まれた「第4心理戦部隊(4th PSYOP)」が、まるでホラー映画のような不気味な募集動画を公開し、世界中で波紋を呼んでいる。敵の心理を操るプロフェッショナルたちが発した「言葉こそが武器」というメッセージの真意と、その驚くべき任務内容とは。
不穏な映像が告げるメッセージ:「言葉は武器だ」
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ノースカロライナ州フォートブラッグに拠点を置く米陸軍第4心理戦部隊(4th PSYOP)が公開した新たな採用ビデオは、従来の軍隊のPR映像とは一線を画すものだった。映像は、燃え盛る1980年代のブラウン管テレビから始まり、画面の中で1930年代の古いアニメーション(フライシャー・スタジオの『Swing You Sinners!』)の幽霊が踊りだすシーンで幕を開ける。
現代的なビートに乗せて映像は次々と切り替わり、暗い森の中に舞い落ちるビラや、市民の中に紛れ込む兵士たちの姿が映し出される。そして画面には、警告のように「我々はどこにでもいる(We are everywhere)」という文字がフラッシュバックする。しわがれた声のナレーターはこう語りかける。「戦闘において適用される、我々が通常『兵器』とはみなさないもう一つの力が存在する。その兵器とは、言葉だ」と。
映像の最後は、部隊のシンボルである稲妻のパッチが映し出されて幕を閉じる。この動画は、物理的な破壊ではなく、敵の思考や行動を操作する「影響力工作(インフルエンス・オペレーション)」の恐ろしさと重要性を強烈にアピールしている。

空飛ぶミーム職人を求む:現代の心理戦とは
この動画は、陸軍がこれまでに行った中で最も強力なアプローチだと評されている。彼らが求めているのは、航空機からパラシュートで降下できる勇気と、インターネット上で拡散される「ミーム」を巧みに操る知性を兼ね備えた人材だ。
動画内には、航空機からアラビア語のビラが投下される様子や、巨大なスピーカーを積んだ戦車が歪んだ音声を流しながら進むシーン、さらには羽ペンが短剣へと変化するアニメーションなどが盛り込まれている。これらはすべて、心理戦部隊が多様な手段を用いて敵の士気をくじき、混乱させ、心理的な弱点を突くことを象徴している。
指令テントの中で多言語ダッシュボードを操作し、敵の感情や士気を分析するスペシャリストたちの姿は、現代の戦争が物理的な戦場だけでなく、情報空間でも行われていることを如実に物語っている。

第二次大戦の亡霊「ゴースト・アーミー」へのオマージュ
興味深いことに、この動画には数々の「イースターエッグ(隠し要素)」が散りばめられている。その一つが、第二次世界大戦中に実在した秘密部隊「第23本部付特殊部隊」、通称「ゴースト・アーミー(幽霊部隊)」への言及だ。
ゴースト・アーミーは、空気で膨らませるゴム製の戦車やトラック、偽の大砲などを配置し、実際には存在しない大部隊がいるかのように見せかける欺瞞(ぎまん)作戦を展開した。彼らは巨大なスピーカーで軍隊の移動音を流し、偽の無線通信を行うことでナチス・ドイツ軍を騙し、主力を誤った場所へ誘導することで何千人もの連合軍兵士の命を救ったとされる。
動画内には他にも、陰謀論への暗示や、オルタナ右翼のシンボルとされるカエルのキャラクター「Pepe(ペペ)」がピエロの衣装を着たGIF画像などが一瞬映り込むなど、ネット文化の闇を意識した演出がなされている。

選ばれし者への過酷な道のり
第4心理戦部隊の一員となるためには、極めて過酷なプロセスを経なければならない。公式サイトによれば、彼らは「ハイテクからローテク、さらには技術を使わない手法まで、公然・秘密・欺瞞を問わずあらゆる手段」を駆使するという。
入隊希望者はまず、10日間に及ぶ身体的・精神的に厳しい選抜試験に挑む。ここでは体力だけでなく、批判的思考力、コミュニケーション能力、精神的な回復力が試される。候補者はレポートを作成し、物語(ナラティブ)を構築し、議論を展開するという、実際の心理戦任務を模した課題に取り組むことになる。
この選抜を通過した者だけが、さらに41週間にわたる資格課程へと進むことができる。そこでは人間心理学、社会学、文化力学を学び、国際法や軍事倫理に違反しない範囲で、いかにターゲットの感情や行動に影響を与えるかという高度なスキルを習得する。
「我々はどこにでもいる」。このスローガンが示す通り、スマートフォン一つで世界とつながる現代において、彼らの戦場は無限に広がっているのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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