イーロン・マスク、2026年にも汎用人工知能(AGI)完成と予測(1年ぶり2回目の宣言)

イーロン・マスク氏は、自身のAI企業xAIが数年以内、早ければ2026年にも汎用人工知能(AGI)を達成するだろうと予測している。Business Insiderの新たな報道によると、彼は社内スタッフに対し、この野心的なタイムラインを提示したという。
しかし、この予測には既視感がある。マスク氏は2024年にも同様の発言をしており、当時は「AGIは2025年までに実現する」と主張していたからだ。カレンダーを見れば明らかなように、2025年も残すところわずか。Googleの担当者からの「AGIはいつ?」という問いに「来年」と答えた彼の予言は、残念ながら外れてしまったようだ。

楽観的な予測の裏にある意図
マスク氏が自社の将来について楽観的すぎる予測をするのは今に始まったことではない。そして、その予測にはしばしば裏の動機が見え隠れする。
思い出してほしい。2023年3月、彼はAI開発の危険性を訴え、6ヶ月間の開発停止を求める書簡に署名した。しかしその裏で、彼はTwitter(現X)内で秘密裏に独自のAIプロジェクトを進めていたのだ。同年7月にはxAIの設立を公式に発表している。
つまり、当時の彼はAIのリスクを本心から憂慮していたわけではなく、ライバルであるOpenAIに後れを取っていたことに苛立っていただけなのかもしれない。AGI実現の可能性をちらつかせることは、それが世界にとって良いか悪いかにかかわらず、AI技術への投資を呼び込むための強力なツールとなる。報道によれば、xAIは年間200億〜300億ドルもの資金調達を見込んでいるという。

定義なきゴール「AGI」とは何か
AGIに関する議論を難しくしているのは、その定義が定まっていないことだ。IBMなどは「あらゆるタスクにおいて人間の認知能力と同等かそれ以上」と定義するが、「認知能力」や「あらゆるタスク」の線引きは非常に曖昧だ。
一方で、AGIを「自意識」を持つ存在と捉える人々もいる。単にデータを再生するだけでなく、自分自身を理解するAIだ。マスク氏はかつて、こうしたAIが人類を滅ぼす「ロボット革命」の引き金になるという恐怖を煽っていたが、最近ではそのトーンを弱めている。

空飛ぶ車はどうなった?
マスク氏はさらに、テスラが今後5年以内に年間100万台の人型ロボット「オプティマス」を生産し、それらが子守りまでこなすようになるとも予測している。
もしかすると、数週間以内に魔法のようにAGIが完成し、マスク氏の古い予言が的中する奇跡が起きるかもしれない。
しかし、彼にはもう一つ、期限切れ間近の予言があることを忘れてはならない。今年10月、彼はジョー・ローガンのポッドキャストで「年末までに空飛ぶ車を披露する」と語っていたのだ。こちらの行方も気になるところである。
参考:Gizmodo、ほか
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2024.10.02 20:00心霊イーロン・マスク、2026年にも汎用人工知能(AGI)完成と予測(1年ぶり2回目の宣言)のページです。イーロン・マスク、AGIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで