牧師は恐怖で穴に転落! 自らの葬儀で棺から這い出し、その後47年間を生き抜いた「生き埋めからの生還者」

事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものだ。1915年、アメリカ・サウスカロライナ州で起きた出来事は、まさにその言葉を体現している。当時30歳だったエッシー・ダンバーという女性が、てんかんの発作を起こし、医師によって死亡宣告を受けた。
悲しみに暮れた家族は急いで葬儀を執り行い、彼女は木製の棺に入れられて埋葬された。しかし、物語はそこで終わらなかった。彼女の死は、驚くべき「第二の人生」の始まりに過ぎなかったのである。
遅れて到着した姉妹と開かれた棺
エッシーの家族の多くは近くに住んでいたが、一人の姉妹だけが隣町に住んでいた。葬儀は翌日の午前中に予定されていたが、これは姉妹の到着を待つための配慮だった。しかし、儀式が終わっても彼女は現れず、遺族はやむを得ずエッシーを土の中へと埋葬した。
埋葬が終わった直後、ようやく姉妹が到着した。どうしても最後のお別れをしたいと懇願する彼女のために、棺は再び掘り起こされることになった。そして、蓋が開けられた瞬間、そこにいた全員が凍りついた。死んだはずのエッシーが起き上がり、姉妹に向かって微笑みかけていたのである。

墓場でのパニックと蘇った日常
この信じがたい光景に、現場はパニックに陥った。2002年に出版された『Buried Alive(生き埋め)』という書籍によると、葬儀を執り行っていた3人の牧師は恐怖のあまり墓穴に転落し、そのうちの1人は肋骨を折る怪我を負ったという。家族さえも、蘇った彼女を幽霊だと思い込み、逃げ惑った。棺から這い出したエッシーが彼らを追いかけるという、まるでホラー映画のような光景が繰り広げられたそうだ。
しかし、騒動が落ち着くと、エッシーは以前と変わらぬ質素な生活へと戻っていった。彼女は綿花畑で働き、自立した生活を続けた。皮肉なことに、かつて彼女に死亡宣告を下した医師よりも長く生きることとなったのである。
47年後の「本当の」別れ

奇跡の生還から半世紀近くが経ち、エッシーは地域でも有名な存在となっていた。彼女は公的扶助と畑仕事での収入を得ながら、穏やかな晩年を過ごしたという。そして1915年のあの日から47年後の1962年、彼女は病院で息を引き取った。享年77歳であった。
当時の地元新聞は、「サウスカロライナの女性、最後の葬儀が行われる」という見出しで彼女の死を報じた。
死の淵から舞い戻った女性の数奇な運命は、今も語り継がれる歴史の一部となっている。
参考:EXPRESS、ほか
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2024.10.02 20:00心霊牧師は恐怖で穴に転落! 自らの葬儀で棺から這い出し、その後47年間を生き抜いた「生き埋めからの生還者」のページです。蘇生、生還などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで