ワンダ・ビーチ殺人事件:オーストラリアを震わせた最悪の未解決ミステリー

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画像は「YouTube」より

 1965年1月11日、オーストラリアのシドニー近郊にあるワンダ・ビーチ(Wanda Beach)で、あまりにも残酷で不可解な事件が発生した。被害者は15歳の親友同士、マリアンヌ・シュミット(Marianne Schmidt)とクリスティン・シャロック(Christine Sharrock)。

 海水浴を楽しんでいたはずの二人は、翌朝、砂丘の間で変わり果てた姿となって発見された。この「ワンダ・ビーチ殺人事件(The Wanda Beach Murders)」は、半世紀以上が経過した現在もなお未解決事件として、オーストラリア犯罪史上最も暗い影を落としている。なぜ犯人は捕まらないのか? 捜査を阻んだ不気味な事実と、浮上した有力容疑者たちについて解説する。

1. 捜査を阻んだ「悪魔の風」と目撃者の不在

 事件当日、シドニーの天気は急変した。「サザリー・バスター(Southerly Buster)」と呼ばれる猛烈な南風が吹き荒れ、砂嵐が発生したのだ。この悪天候により、ビーチにいた大半の人々が避難してしまった。

 少女たちが砂丘の奥へと歩いて行ったその瞬間、周囲にはほとんど誰もいなかった。吹き荒れる風と舞い上がる砂は、犯行の音をかき消し、視界を遮る「完全犯罪」のための舞台を作り上げてしまったのだ。警察にとって、このタイミングは最悪の不運だった。

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ワンダビーチ(2012年) By Maurice van Creij, CC BY 3.0, Link

2. 凄惨な犯行現場と性的動機

 発見された遺体の状況は、ベテラン刑事さえも言葉を失うほど凄惨だった。二人は砂丘の間の隠れた場所へ連れ込まれ、鋭利な刃物で数十回にわたり刺されていた。

 現場には激しく抵抗した痕跡が残されており、犯人も怪我を負った可能性が高かった。金品は奪われておらず、警察は性的暴行を目的とした犯行と断定した。しかし、これほど激しい暴力を振るいながら、犯人は痕跡を残さずに消え去っていた。

3. 消えた凶器と「血まみれの男」

 警察は数百人を動員し、金属探知機を使って広大な砂丘を捜索したが、凶器は見つからなかった。傷跡から、凶器は3〜4インチ(約8〜10cm)のポケットナイフかスカウトナイフと推定されたが、当時の一般的なナイフであり特定は困難だった。

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イメージ画像 Created with AI image generation

 さらに、事件の数日後、地元のクリーニング店に「血まみれの服」を持ち込んだ若い男がいたという有力な情報があった。男は挙動不審で、急いで服を洗うよう要求したという。しかし、店員は名前を控えておらず、警察が到着する前に男は服を持って姿を消した。当時の血液型鑑定技術の限界もあり、決定的な証拠が失われてしまった瞬間だった。

4. 有力容疑者たち:連続殺人鬼の影

 捜査線上には何人かの容疑者が浮上したが、決定的な証拠には至っていない。

デレク・パーシー(Derek Percy): 1969年に少女殺害で有罪となった連続殺人鬼。事件当時シドニー周辺にいたとされ、手口の類似性が指摘されたが、自白することなく2013年に死亡した。

クリストファー・ワイルダー(Christopher Wilder): 「ビューティー・クイーン・キラー」として知られる悪名高い連続殺人犯。当時シドニーに住んでいた10代で、目撃された「ショーツの男」と年齢が一致する。しかし、彼は1984年にアメリカで死亡している。

アラン・ローガン(Alan Logan): 近年、ジャーナリストによって名指しされた地元の男。精神的に不安定で暴力的傾向があり、家族さえも彼を疑っていたという。彼もまた、精神病院で秘密を抱えたまま亡くなっている。

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DNA鑑定の壁と失われた無垢の時代

 2012年、科学捜査の進歩により、保存されていた衣服からDNAプロファイルの抽出が試みられた。しかし、長年の保管によるサンプルの劣化と汚染により、犯人を特定するには至らなかった。

 この事件は、オーストラリア社会に「ストレンジャー・デンジャー(知らない人は危険)」という概念を植え付けた。かつて子供たちが自由に遊び回れた安全な時代は、ワンダ・ビーチの悲劇と共に終わりを告げたのだ。

 犯人が生きているのか、すでに死んでいるのか。砂丘に埋もれた真実は、今も風の中にある。

参考:ListverseWikipedia、ほか

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