「不老不死」を目指す男の胃が自分自身を食べ始めた —— ブライアン・ジョンソン氏を襲った「治せない病」の正体

老いを敵とみなし、莫大な資金と最新科学を注ぎ込んで肉体を極限まで最適化する——そんな「バイオハッカー」たちの生き方には、どこか超人めいた響きがある。
なかでも群を抜いて有名なのが、米国の起業家ブライアン・ジョンソン氏(48歳)だ。息子の血液を自分に輸血し、毎朝5時間をかけて衝撃波療法やサウナ、運動をこなす徹底ぶりで知られる、いわば「不老不死おじさん」である。
だが、そんな彼が今、現代医学に治す手立てのない病と診断されたことを明かし、波紋を広げている。彼いわく、それは「自分の胃が、自分自身を食べている」病だという。
「胃が自分を食べる」——自己免疫性胃炎という宣告
ジョンソン氏が公表した病名は、自己免疫性胃炎(AIG)。本来なら外敵を攻撃するはずの免疫が、なぜか自分の胃の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患だ。
診断が下りたのは2026年5月。長い検査の旅路の果てにたどり着いた結論だった。彼は大腸内視鏡でがんの可能性を否定したうえで、胃内視鏡と3か所の生検を受けている。
その結果、胃酸を分泌する粘膜の部分に限定して、早い段階の萎縮が始まっていることが確認されたという。胃のほかの領域はまだ保たれている状態だと、本人は説明している。
厄介なのは、この病がほとんど自覚症状を出さないまま静かに進行する点だ。ジョンソン氏によれば、AIGは人口の推定2〜5%が抱えるとされるが、胃が実害を出すほど萎縮して初めて表面化することが多く、診断が難しいのだという。
きっかけは「鉄」だった——沈黙する病が残した小さな痕跡
これほど徹底的に体を管理してきた彼が、なぜ自分の異変に気づけたのか。手がかりは、意外にも「鉄」だった。
貧血こそ起きていないものの、体内に鉄を蓄えるフェリチンの値が低下していた。サプリメントで補っても鉄の数値が下がり続ける——その小さな不整合が、隠れていた病を炙り出す糸口になったとされる。
ジョンソン氏は20代前半に甲状腺機能低下症の治療を受けた経歴があり、自己免疫の乱れとまったく無縁だったわけではない。それでも、この胃の病だけは長く水面下で進行していたことになる。
彼は病の遠因として、皮肉にも「今とは正反対だった過去」を挙げている。子どもの頃に口にした甘いシリアルや炭酸飲料、ファストフード。起業や子育てのストレスに追われ、体重が40ポンド(約18キロ)増え、慢性的なうつ状態にあった時期——。
そうした年月の爪痕がいま現れているのではないか、というわけだ。ただしこれは本人の見立てであり、AIGの原因が食生活やストレスにあると医学的に断定されているわけではない。

老化に挑む男が突きつけられた、身体という「未解決の謎」
現時点で、自己免疫性胃炎に根本的な治療法は存在しない。標準的な医療は症状のコントロールにとどまるとされる。
ここに、なんとも言えない逆説がある。年間に何億円ともいわれる資金を投じ、あらゆる老化指標を巻き戻そうとしてきた男が、ありふれた——しかし治せない病の前では、他の誰とも同じ一人の患者にすぎなかったのだ。
もっとも、ジョンソン氏はここで立ち止まる人物ではないらしい。治療法のないこの病についても自ら解決策を探り続け、その過程と成果を包み隠さず共有していくと宣言している。
老いや死を「解くべき問題」として扱ってきた彼にとって、自分の胃を蝕む病もまた新たな挑戦状なのかもしれない。
人体はいまだ多くの謎を秘めている——最先端の科学で武装した男の身体が、皮肉にもそのことを証明している。彼の挑戦が実を結ぶのか、それとも身体という不可解な相手に阻まれるのか。答えはまだ、誰にも分からない。
参考:LADbible、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「不老不死」を目指す男の胃が自分自身を食べ始めた —— ブライアン・ジョンソン氏を襲った「治せない病」の正体のページです。不老不死、免疫などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
