亡き息子がベッドの足元に立っていた!? リンカーン夫人がホワイトハウスで開いた交霊会と、暗殺犯ブースにつながる霊媒師

亡き息子がベッドの足元に立っていた!? リンカーン夫人がホワイトハウスで開いた交霊会と、暗殺犯ブースにつながる霊媒師の画像1
イメージ画像 Created with AI image generation

 アメリカ大統領の公邸ホワイトハウスで、かつて死者を呼び出す「交霊会」が繰り返し開かれていた。主催したのは、エイブラハム・リンカーン大統領の妻メアリー・トッド・リンカーンだ。

 愛する息子を失った母親がすがった霊媒師たち。その中には、のちに大統領を暗殺するジョン・ウィルクス・ブースと親しい人物まで含まれていたという。

「ウィリーは生きている」と語った母

 時代は南北戦争のさなか。戦争による死者は62万〜75万人、当時の米国人口のおよそ2%に達したとされる。大量の死と並行して広まったのが、死者の魂は生者と交信できると考える「スピリチュアリズム(心霊主義)」だった。

 リンカーン夫妻は1850年に次男エディを4歳で亡くしていた。さらに1862年、三男ウィリーが腸チフスにより11歳で死去する。メアリーは何週間も自室に閉じこもり、彼女の仕立て係は、母のお気に入りだった子を失った悲しみは慰めようがないと書き残している。

 そんなメアリーに霊媒師を頼るよう勧めたのが、自身も子を亡くした元ファーストレディのジェーン・ピアースだった。メアリーはこの助言に従い、ホワイトハウスで最大8回の交霊会を開いたと考えられている。

 効果はあったようだ。メアリーは異母姉妹に、ウィリーが毎晩ベッドの足元に現れ、生前と変わらぬ愛らしい笑顔で立っていると打ち明けた。時には幼くして逝ったエディも一緒にやって来るのだという。

レッドルームの円陣と、大統領の「神秘主義」

 交霊会の舞台はホワイトハウスの「レッドルーム」。メアリーは霊媒師や友人たちと輪になって座り、全員で手をつないだ。霊を呼ぶための音楽が奏でられるなか、部屋のあちこちで叩くような音が響く。当時の霊媒師は、こうした音を仕掛けで生み出し、霊の訪れの証拠だと主張するのが常だった。

 では、リンカーン本人はどうだったのか。妻の信仰を共有していた証拠は乏しく、友人は彼を占いや怪談の類いに手を出す人間ではなかったと記している。一方でリンカーン自身は、友人ジョシュア・スピードへの手紙で、自分には昔から神秘主義に強く惹かれる傾向があると告白していた。

 彼もまたウィリーの死を深く悲しみ、オークヒル墓地の墓へ足繁く通った。妻の交霊会に同席した可能性もあるが、霊そのものより、霊媒師がどんな仕掛けで幻を演出しているのかに関心を寄せていたと伝えられる。

暗殺を警告した霊媒師は、犯人の友人だった

 不気味なのはここからだ。一部の霊媒師はリンカーンに、暗殺される恐れがあると警告していた。国が分断された当時の情勢なら、誰でも予想できたことではある。

 だが、友人から同じ危険を指摘された大統領は、その話なら霊媒師チャールズ・コルチェスターからすでに聞かされていると答えたという。コルチェスターはホワイトハウスにたびたびメアリーを訪ねていた人物で、しかも暗殺犯ブースの友人だった。ブース自身も心霊主義に関心を持ち、コルチェスター主催の交霊会に何度も参加していたのだ。

亡き息子がベッドの足元に立っていた!? リンカーン夫人がホワイトハウスで開いた交霊会と、暗殺犯ブースにつながる霊媒師の画像2
イメージ画像 Created with AI image generation

 夫の死後もメアリーの心霊への傾倒は続いた。シカゴの自宅で交霊会を開き、「心霊写真家」ウィリアム・マムラーに依頼して、彼女の背後にリンカーンの霊が浮かぶ写真を手に入れている。偽物と見なされることの多い一枚だが、メアリーは本物と受け止め、愛する死者は見えないだけですぐそばにいるという趣旨の手紙を残した。

 しかし長男ロバートは、母の霊媒師通いを精神異常の証拠の一つとして、彼女を精神病院に入院させた。メアリーは1年以内に退院したものの、息子を生涯許さなかったという。

 19世紀末には有名霊媒師のトリックが次々と暴かれ、スピリチュアリズムの熱は冷めていった。それでも皮肉なことに、今日ホワイトハウスで最も多く目撃される幽霊は、当のリンカーン大統領だとされている。妻が呼び続けた霊の世界に、今は彼自身が留まっているのだろうか。

参考:Mental Floss、ほか

関連キーワード:, , ,
TOCANA編集部

TOCANA(トカナ)は、「ホントカナ?」を編集方針に、UFO・UAP、UMA、心霊、予言、超古代文明、都市伝説など世界の「謎」を追うオカルトニュースメディア。2013年の開設から13年、公開記事は2万本以上。
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

亡き息子がベッドの足元に立っていた!? リンカーン夫人がホワイトハウスで開いた交霊会と、暗殺犯ブースにつながる霊媒師のページです。、、、などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ秘密結社購買部