本当にあった北九州の「呪われた村」の怖い話が本当に恐ろしい! 馬の首、見てはいけない岩…実話怪談「血蟲の村」!

作家・川奈まり子の連載「情ノ奇譚」――恨み、妬み、嫉妬、性愛、恋慕…これまで取材した“実話怪談”の中から霊界と現世の間で渦巻く情念にまつわるエピソードを紹介する。

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9月3日 (火) 19時~@青山ブックセンター
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画像は「Getty Images」より引用

【二十五】血蟲の村(前)

 2019年7月現在56歳の斎川美津子さんは、北九州のとある山麓で生まれた。

 そこに彼女の父方の一族が住む集落があり、一方、美津子さんの母は東北地方の出身だった。遠方から移り住んできたからであろうか、美津子さんの母は後々まで土地の暮らしに馴染めないものを感じつつも、だからこそ一族の習慣に懸命に従おうとしていたようだ。

 一族の習慣とは、代々神社を支えてきた社家であるこの家ならではの、神道に沿った習わしと、杣が切り拓いたというその地域一帯に伝わる伝説と行事に基づいた、独特なものだった。

 ——と、ここまで書くのに、実はずいぶんと気をつかっている。「斎川美津子」という名前が仮名であり、個人が特定されづらいように注意しているのはいつものことだが、常ならば、私は地名や神社仏閣の名称などは極力つまびらかにするところ、今回はそうしていない。

 なぜならば、これから綴る話は、彼女の家族にかけられた呪いと土地の邪習に関する内容であり、その呪いというのが、社家と先住者との軋轢に端を発した可能性が高いからだ。

 特定の地域を差別的な目で見られるように仕向けてはいけないと自らを戒めた結果、神社の名称や集落の名前などを明かすわけにはいかなくなった次第だ。

 ……ただ、もしかすると北九州の郷土史や祭事にお詳しい読者さんは、この場所が何処かピンときてしまうかもしれない。

 しかし、もしもわかってしまっても、くれぐれも現在のこの土地を奇異の眼差しで見ることのないように。

 これは斎川美津子さんの子ども時代の話、つまり4、50年前の出来事なのだから……。 

 さて、どこから書こうか……。

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