本当にあった北九州の「呪われた村」の怖い話が本当に恐ろしい! 馬の首、見てはいけない岩…実話怪談「血蟲の村」!
唖然として見送ったあと、我に返って、美津子さんは馬の首が行ったのとは違う方向に山を駆け下って、家に逃げ帰った。
「あら、おかえりなさい。暑かったでしょう?」
出迎えてくれた母に、叱られるのを覚悟の上で今見たものを打ち明けようしたのだが。
「あのね、お母さん、今ね……クッ!」
言いかけた途端、喉の輪がギュッと閉じる感覚があり、声が出なくなった。
馬の首以外のことは普通に話せた。しかし馬の首を見たことを告げようとすると声が出ない。
この状態が、それから何年も続いた。中学生になってから、ようやく母に話すことが出来た。
母は「山に行ったらいかん言うただろ!」と美津子さんを激しく叱りつけた。
それはもう凄い剣幕だったと美津子さんは言う。
「母の生家は、巫女の家系なんだそうです。北国から九州の田舎に来て、習慣などの違いに戸惑うことも多かったでしょうし、だからこそ馴染もうと努力したのでしょうが、基本的に母も神秘的なことを信じる性質で、少し霊感も持っていたので、伝説や古い掟に親和性があったのでしょう。
呪われた場所と言えば、鎧畑と呼ばれる辺りも落ち武者の霊が出ると言われて恐れられていました。昔、この辺りの住人たちが殺した落ち武者の鎧をそこに埋めたのだそうです。私が遊んでいた川も心霊スポットだと言われていました。そんな土地だから、私が幼稚園や小学校に通っている頃、母は半分冗談で「ここは呪われた村だ」なんて言っていましたっけ……。
でも、当時は、母をはじめ私たち家族は誰も、まさかうちがあんな形で呪われることになるとは思っていませんでしたよ。
はじまりは私が中学1年生のとき。両親が、それまで住んでいた家のすぐ近所に新しく家を建てることにしたのです。完成したらそちらに引っ越すことになり、みんなでとても楽しみにしていました。
……いえ、本当のはじまりは、千年以上昔に私たちの先祖が来たときかもしれません。
杣とお百姓から土地を奪って、神殿を築き、この地に根をおろしたときから、積み重なってきたものがあったのでしょう。
それにしたって、チムシの呪いをかけるなんて、あんまりです」
「チムシ? どういう字を書くのですか?」
「血液の血と蟲だと母から聞きました。では、血蟲の呪いの経緯を、これからお話ししますね……」
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2024.10.02 20:00心霊本当にあった北九州の「呪われた村」の怖い話が本当に恐ろしい! 馬の首、見てはいけない岩…実話怪談「血蟲の村」!のページです。呪い、怪談、怖い話、北九州、実話怪談、川奈まり子、情ノ奇譚、田舎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで