高度約1万メートルから墜落し、パラシュートなしで生還した客室乗務員! 爆破された旅客機で彼女の命をつないだ「4つの偶然」

飛行機事故の生存率は、高度が上がるほど絶望的になる。巡航高度で機体が空中分解すれば、助かる見込みはまずない。
だが、その「常識」を覆した女性がいる。旧ユーゴスラビアの客室乗務員、ヴェスナ・ヴロヴィッチ氏だ。彼女は爆発した旅客機とともに約1万メートル(3万3000フィート)の高さから落下し、パラシュートなしで生き延びたのである。
27人を乗せた旅客機が空中で3つに裂けた日
1972年1月26日、ストックホルム発ベオグラード行きのユーゴスラビア航空(JAT)367便には、乗員乗客27人が乗っていた。当時22歳のヴロヴィッチ氏も、客室乗務員としてその中にいた。
機体が現在のチェコ北部上空を巡航していたとき、機内に仕掛けられていた爆弾が炸裂する。クロアチア民族主義者によるものと見られている爆発で、機体は3つに分断され、スルプスカー・カメニツェという村の近くに墜落した。
ほかの26人は爆発か墜落の衝撃で命を落とした。ところが機体後部の残骸の中から、ヴロヴィッチ氏だけが息のある状態で発見されたのだ。
皮肉なことに、彼女はもともとこの便に乗る予定ではなかった。勤務スケジュールの手違いで、急きょ乗務することになっていたという。

配膳カート、気絶、雪、元衛生兵の村人
なぜ彼女だけが助かったのか。ギネス世界記録の解説では、いくつもの偶然が重なったことが指摘されている。
まず、爆発の衝撃で彼女の体は機内の配膳カートの下敷きになった。これが重しとなり、機外へ吸い出されずに済んだ可能性があるという。
次に、低血圧のため彼女はすぐに意識を失った。そのおかげで、落下の衝撃で心臓が破裂する危険を免れたと考えられている。
さらに残骸が落ちた先は、分厚く雪が積もった地面だった。雪がクッションとなって衝撃を和らげたとされる。
そして最後の偶然が、彼女を見つけた村人の存在だ。その人物は第二次世界大戦中に軍の衛生兵を務めた経験があり、その場で救命処置を施したのである。どれか一つ欠けていても、彼女の命はなかったかもしれない。
記憶を失ったまま「世界一の落下」の記録保持者に
ヴロヴィッチ氏の負傷は凄まじかった。頭蓋骨骨折、両脚と肋骨の骨折、骨盤骨折を負い、10日間にわたって昏睡状態が続いた。一時は腰から下が麻痺したものの、数カ月の入院を経て回復を果たす。背骨のゆがみによる足の不自由さは生涯残った。
頭部の損傷で記憶を失った彼女は、事故の瞬間を一度も思い出すことがなかった。墜落の経緯は、すべて周囲から聞かされて知ったという。
2008年には米紙ニューヨーク・タイムズの取材に応じ、自分の体は一度壊れ、医師たちが組み立て直してくれたのだという趣旨を語っている。誰も自分がここまで長生きするとは思っていなかった、とも振り返った。
彼女は「パラシュートなしでの最も高い落下からの生還」としてギネス世界記録に認定されている。そして2016年12月、66歳で自宅にて息を引き取った。
偶然の連鎖か、それとも見えない何かの采配か
予定外の乗務、カートの下敷き、気絶、雪、元衛生兵の村人。一つひとつは説明のつく出来事だが、これほどの偶然が一人の人間に集中する確率は、計算する気にもならないほど低い。
本人は最後まで、その日の空の記憶を持たなかった。だからこそ「なぜ彼女だったのか」という問いには、誰も答えを出せない。単なる確率の悪戯と見るか、生かされた理由があったと見るか。その答えは、一人ひとりに委ねたい。
参考:LADbible、ほか
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2024.10.02 20:00心霊高度約1万メートルから墜落し、パラシュートなしで生還した客室乗務員! 爆破された旅客機で彼女の命をつないだ「4つの偶然」のページです。飛行機事故、パラシュート、ユーゴスラビア、生還などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

