致死率6〜7割とされる「脳に巣食う黒いカビ」の検出率が2年で約4倍に! 感染経路は不明

人間の脳に入り込み、膿のかたまりをつくる希少なカビが、アメリカで静かに存在感を増している。米疾病対策センター(CDC)が10月に公表した報告によれば、この真菌の検出率は2023年から2025年にかけて約4倍に跳ね上がった。
過去の研究では致死率が60〜70%に達するとされる危険な病原体だ。それにもかかわらず、人がどこで、どうやって感染しているのかは、いまだに分かっていない。
1年に数件だった検出が「14件」に急増
問題の真菌は「クラドフィアロフォラ・バンティアナ」。細胞壁に黒っぽい色素を持つ黒色真菌の一種で、神経組織を好んで侵す性質があるとされる。
ワシントン大学医学部とCDCの研究者は、同大学の検査機関に2009年1月から2026年7月までに寄せられた検体の分子検査記録を分析した。確定48例と疑い1例、計49人の感染が確認されている。
2023年までは年間1〜5件ほどで推移していたが、2024年に8件、2025年には14件へと増えた。脳内の検体1000件あたりの検出数で見ても、2017〜2023年の平均約8.4件に対し、2025年は26件に達している。単に検査数が増えただけでは説明できない伸びだという。
症例は21州とワシントンD.C.にまたがり、カリフォルニア州の6件が最多。フロリダ州とテキサス州が各5件、ペンシルベニア州が4件と続く。患者の年齢の中央値は68歳だった。
免疫が正常な人も侵される「脳の膿瘍」
49例のうち43例、約88%は頭蓋内の組織から見つかり、残る6例は肺の検体だった。脳に達した真菌は膿瘍をつくり、周囲の腫れや圧迫によって命に関わる神経症状を引き起こすことがあるという。
厄介なのは、多くの重い真菌感染症と違い、これまでの文献で患者の約半数に免疫を弱める持病がなかったと報告されている点だ。頭痛やけいれん、錯乱、視覚の異常などは脳腫瘍や脳卒中とも似ており、珍しい病原体ゆえに疑われにくい。
報告に記された1例では、亡くなる前に脳脊髄液の分子検査を受けていたにもかかわらず、真菌は検出されなかった。治療は外科的な処置と抗真菌薬の併用が検討されるが、最も効果的な方法はまだ確立されていない。
カビが人体を蝕むと聞けば、ゲームやドラマで話題になった『THE LAST OF US』の世界を思い浮かべる人もいるだろう。ただし、あれはあくまでフィクションだ。この真菌が人の行動を操るわけではなく、人から人へうつることも確認されていない。
感染源はどこにあるのか、CDCが2020年以降の症例を捜索
最大の謎は感染経路だ。胞子を吸い込んで肺から血流に乗り脳へ達する説や、皮膚の傷から入る説が挙げられているが、自然環境からこの真菌が見つかることはまれだという。患者に共通する職業や行動、場所も特定されていない。
気温上昇など環境の変化が真菌の分布に影響しているのではとの見方もあるが、今回の増加を気候変動に結びつける証拠は現時点で不十分とされる。CDCは環境要因に加え、病原性そのものが変化している可能性も含めて調べる必要があるとしている。
10月13日にはカリフォルニア州公衆衛生局が検査機関向けの通知を出し、2020年1月以降の症例の洗い出しへの協力を呼びかけた。全米規模の監視体制がない以上、1カ所の検査機関のデータだけでは国内の実際の感染者数は分からない。
一般の人にとっては依然としてまれな感染症であり、原因不明の頭痛やけいれんなどが続く場合は医療機関に相談するのが第一だろう。それでも、致死的な病原体が、出どころも分からないまま全米の検体から見つかり続けているのは事実だ。土の中か、木の中か、それともまだ誰も調べていない場所か。この黒いカビの「住みか」が突き止められる日は、まだ見えていないようだ。
参考:Above The Norm News、CDC MMWR、California Department of Public Health、ほか
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2024.10.02 20:00心霊致死率6〜7割とされる「脳に巣食う黒いカビ」の検出率が2年で約4倍に! 感染経路は不明のページです。カビ、CDC、致死率などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

