元ハーバード脳外科医「死後の世界は科学的に証明された」と主張、専門家たちの反論

天国、生まれ変わり、魂の不滅——こうしたテーマを大真面目に研究する医師や物理学者が、世界各地に存在するという。
歌手のロザリアが神秘主義に傾倒するなど静かなスピリチュアル・ブームが広がる中、科学の世界にもその波が及んでいる。
中でも、元ハーバード大学医学部教授の脳外科医が唱える「死後の世界は証明された」という主張が、科学界に静かな波紋を広げている。
元ハーバード脳外科医が語る「証明された死後の世界」
米国の脳外科医エベン・アレクサンダー氏は、ハーバード大学医学部で15年にわたり教鞭を執った人物だ。
2008年11月、細菌性髄膜炎により1週間の昏睡状態に陥った同氏は、意識を取り戻した後、自身の体験を「死後の世界への現実の旅」だったと2012年の著書「プルーフ・オブ・ヘヴン」で明かしている。
体験には、肉体から抜け出す感覚、光の存在や亡くなった親族との遭遇、人生を瞬時に振り返る「人生回顧」など、多くの臨死体験者に共通する要素が含まれ、これまでにない安らぎと愛の感覚に包まれていたという。
昏睡中は脳の主要領域が機能停止していたはずで、あれほど強烈な体験が生じるとは考えにくく、薬物による幻覚とは異なると同氏は主張する。
「死後の世界の存在は、科学的観点から疑いの余地なく証明されている。ただ、それを知ろうとしない人が多いだけだ」。同氏はそう言い切った。
神の存在を”科学的に”論じる研究者たち
アレクサンダー氏のような主張をする研究者は、決して少数派の変わり者ではない。
技術者のミシェル=イヴ・ボロレ氏とオリヴィエ・ボナシー氏の共著「神。科学。証拠。」は、生命が無生物から誕生した事実などを根拠に創造的知性の存在を論じ、フランスで25万部以上を売り上げた。序文はビッグバン理論を裏付ける宇宙背景放射の発見でノーベル物理学賞を受賞したロバート・W・ウィルソン氏が寄せた。心臓病学の権威バレンティン・フスター氏ら著名な臨床医も名を連ねる。
臨死体験の研究自体は目新しくない。1970年代の精神科医レイモンド・ムーディ氏、前世の記憶を持つ子供の証言を記録したイアン・スティーヴンソン氏の調査を源流に、近年は関連書籍が相次いで話題を呼んでいる。

「観測できないものは証明できない」——専門家たちの反論
一方で、こうした主張に懐疑的な研究者も少なくない。
ベルギー・リエージュ大学の神経科学者シャルロット・マルシャル氏の研究チームは2025年、学術誌「ネイチャー・レビューズ・ニューロロジー」で、臨死体験を極度のストレス下にある脳の神経生物学的な連鎖反応として説明するモデルを発表した。酸素不足や二酸化炭素濃度の上昇、脳内電気活動の変化が神経伝達物質の大量放出を引き起こし、強烈で一貫した体験を生み出すのだという。
哲学者カルロス・ブランコ氏は、科学が証明できるのは「その人が何かを見た」という事実であり、「その何かが実在した」ことではないと指摘する。科学哲学者オスカル・テイシド氏も、電子やブラックホールとは異なり意識という現象は痕跡すら残さないと説明し、逸話的な証拠に頼りがちな近年の研究姿勢に疑問を呈する。
これに対しスペイン国立研究評議会(CSIC)の主任研究員アレックス・ゴメス=マリン氏は、自身も臨死体験者だとした上で、懐疑派こそ実態を知らずに否定し体験者を孤立させてきたと反論している。
こうした対立を前に思い出されるのが、1930年にアインシュタインがテレパシーを扱う著書「メンタル・ラジオ」に寄せた序文だ。実験を証明とは認めなかったが、著者の誠実さを疑う理由はないとして切り捨てもしなかった。
盲信でも拒絶でもなく、好奇心と厳密さ。死後の世界をめぐる論争の行方は、まさにその両方が試される場所にあるのかもしれない。
参考:El País、ほか
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2024.10.02 20:00心霊元ハーバード脳外科医「死後の世界は科学的に証明された」と主張、専門家たちの反論のページです。臨死体験、死後の世界などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで