人間のエゴで絶滅の危機に瀕している動物たち ― 絶滅危惧種10選

【5】イッカク

 北極圏に生息するため、長い間伝説上の生き物と思われてきたというイッカク。最近の研究では、地球温暖化の影響を一番受ける動物だともいわれる。これは、氷で99%閉ざされている海域で生活するイッカクは、一度氷が溶け出すと天敵のシャチが生息海域に侵入する頻度が高くなり、個体数の減少が懸念されているからだ。
 
 イッカクは、長い角が生えた鯨のような姿をし、雄は1トン以上、雌も1トン近くまであるという大きな哺乳類だ。そして、大きな角を持ったオスにメスが群がり、ハーレム状態を作って生活することでも知られている。
 
 イッカクの特徴的な角は、一部例外を除くとオスのみに出現する。これは口から長く突き出ており、歯が変形した牙だとされている。この角から架空の動物ユニコーンのモデルにもされ、中世ヨーロッパではイッカクの角を「ユニコーンのものである」と偽り、高値で取引されていた。


【6】センザンコウ

 アルマジロにもよく似た容姿をし、鱗をまとう唯一の哺乳類であるセンザンコウ。彼らの鱗は約300枚にものぼり、また縁が刃物のようになっている。このため、捕食者に遭遇した際は、鱗で覆われたしっぽを振り回したり、体当たりをしたりしつつ応戦する。また、センザンコウの一種であるミミセンザンコウは死んだふりをして、主な食料とするアリを集めることもあるなど、特殊な技術を持つ動物だ。
 
 主にアジアに生息してきたが、様々な国で魔除けや漢方、媚薬などに利用できるとされ、またその革の希少性からも密猟が行われてきた。07年までは、アジアとアフリカにそれぞれ4種ずつ、計8種が確認され、絶滅の危機に瀕していなかったが、今では中国およびアジアに生息する、2種が「レッドリスト」入りし、絶滅危惧種に指定されている。

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