STAP細胞は3千年前にあった? インドの歴史教育がブッ飛び過ぎ!(グジャラート州)

 詩に登場する盲目王ドゥリタラシュートラの后、ガーンダーリーは、100人の王子(カウラヴァの100人の王子)の母なのだが、王子たちは幹細胞技術によって生まれたのだとバトラ氏は主張している。

 本書の記述によれば、ある時期に中絶手術を受けたガーンダーリーの子宮から出てきた巨大な肉の塊(胎盤)を、1人の賢者が100個の肉片に切り分け、バターオイルで満たされた100個のタンクに個別に保存して2年が経つと、それぞれのタンクから100人の王子(カウラヴァの100人の王子)が誕生したのだという。

 さらにバトラ氏によれば、およそ3,000年前のこの“ヴェーダの時代”には、自動車も走っていたという。その根拠は「馬を使わない馬車」が『リグ・ヴェーダ』に登場しているからだという。

 バトラ氏の言い分を聞いていると、桃から生まれた“桃太郎”や『西遊記』の“きんと雲”はどうなるのだ、と思わずツッコミを入れたくもなるが、インド社会にも急速に浸透しつつある“グローバル化”の波の中、世界の国際関係が緊密になればなるほど、時にそれを過剰に揺り戻すかのように民族主義思想が台頭してくることもあるという歴史的事実にまで考えが及んできてしまう。この歴史図書が配布されたグジャラート州は、パキスタンと国境を接していることもあり、確かに政治的・歴史的にもなかなか複雑な事情がありそうな地域である。ともあれ、今回のニュースを単に面白がるばかりでなく、まさしく“反面教師”にもなりうる話題として受け止めることが求められているかも知れない。
(文=仲田しんじ)

参考:「Daily Mail」、「The News Minute

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