【医療ミステリー】飲食の欲望を忘れた少年 ― 世界唯一の症例
米国では肥満が深刻な社会問題だ。米国の小学校で「肥満」と診断される子どもは全体の18%、中高校生だと21%にのぼる。肥満患者は年々増加、医療費を圧迫し、国の財政を脅かす存在となっている。ニューヨーク州では肥満予防のために、「ソフトドリンク・サイズリミット」という法律を作り、500ミリリットル以上の甘いソーダ類を飲食店で販売する事を禁止したほどだ。
しかし、ニュースサイト「FCN」が今月27日に報じた少年は、それとは正反対の“ある奇妙な問題”を抱えていたのだった――。
アイオワ州に住むジョーンズ家の長男ランドン君(12歳)は、どこにでもいそうな普通の少年だった。しかし、1年前のある日を境に、事態は一変する。
■原因不明の病気の始まりと闘病生活
2013年の10月のある朝。前日まで、好物のピザやアイスクリームを平らげていたランドン君が目覚めると、突然「飲食に関するすべての欲求」が完全に失われていた。
驚いた両親はランドン君を連れていくつも病院を巡り、病気の原因を探ったが、原因は不明。その間、ランドン君の体重は毎週約1キロずつ減り始め、以前は47キロあった体重が31キロまで落ちてしまった。両親は、毎日毎日「食べなさい」と言い続けるなど、あらゆる努力を試みるも、効果はゼロ。医師からは「もしこのまま改善が見られないと、ランドン君のお腹に直接チューブを通して栄養分を摂取する必要がある」と宣告された。
だがようやく、両親の努力の甲斐あって、小児神経科医のマーク・パターソン博士に巡り合い、治療の糸口が見つかることに。
■病因が明らかに?
博士は、「今分かっている医学知識から脳機能を全て理解しようとする事はまだまだ難しい」としたうえで、「ランドン君がかかっている病気は、世界中で1件しかない非常に珍しい病気の可能性が高い」と話した。そして検査の結果、ランドン君の空腹や渇きの感覚の消失は、「飢えや渇き、体温、血圧、睡眠周期、その他の自律機能」を管理する「視床下部」の問題ではないかと推測された。また、「匂いと味の感覚」は失っていないという事も分かったのだ。
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