存在を“隠す”技術が開発される？ 人間が一瞬消えて、突然別の場所に出現する？

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■人間の存在も消すことが可能に!?

「Daily Mail」の記事より

　研究チームはこの技術によって、ある者に対して事実を隠蔽すると同時に、ある者には極めて安全に情報を伝えることが可能になり、テレコミュニケーションの幅広い分野に応用できる可能性を力説している。選択的に情報を届けられるという点で、この技術の当面の活用法としてはマーケティングの分野ということになるだろうか。そこから想像できるのは、情報の受け手の属性によって入手できる情報が大きく異なっている社会の様相である。現在でも問題視されている“情報格差”はこのような技術と共に今後ますます広がっていくということになるのだろうか……。

　そして「Daily Mail」の記事などには、今後この新技術がさらなる進歩を遂げて扱えるデータ量が増えていけば、人間そのものがこの“隙間”に隠れて一瞬姿を消したり、突然別の場所に現れたりすることができるようになるという驚くべき可能性も示されている。そうなった暁にこの技術を悪用すれば、文字通り人の目を盗むことで成立する犯罪、例えば窃盗やスリ、万引き、置き引き、食い逃げ(!?)などが容易になってしまうのかもしれない。

　僅かな瞬間(厳密には瞬間ですらない)にいろんなことができ、裏を返せば逆にいろんな影響を受けてしまいかねないこの驚くべき技術――。これが実用化されれば、我々の日常生活にも大きな影響を及ぼすことになるのは必定だ。その時、人間の社会生活がどんなものになっているのか、興味をそそられると共に少なからぬ恐怖も感じてしまうことは否めない。
（文＝仲田しんじ）

参考：「Daily Mail」ほか

仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター　@nakata66shinji

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