キリスト教「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」の真意とは!? ~ハーバード大の講義でわかった意外な解釈~
「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」――これは新約聖書内『マタイによる福音書』第5章に登場する、有名なイエスの言葉である。同じく新約聖書内『ルカによる福音書』に登場する「汝の敵を愛せ」という言葉同様、敵を許し仕返しをするな、という教えに相違ない。
全人類の罪を背負い、その身代わりとして人々の救いのため自ら十字架にかけられたというイエスが説くキリスト教が、「慈悲と許しの宗教」であるということを象徴する言葉でもある。
しかし、である。「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」という言葉について、もしも自分が殴る側だったらと想定して、今一度よく考えてみていただきたい。筆者の知人で米・ハーバード大学への留学経験があるAさんは、在学中に講義の場で、この言葉について驚くべき解釈を教えられたと語る。
手のひらで左頬を殴ることの意味
Aさん 「憎い相手を想像してみてくださいよ。利き手の右手で普通に相手を殴ったら、右でなく左の頬に当たりませんか?」
確かに! 聖書を読むだけでは、なかなか気づかない人が多いだろう。実際によく考えてみれば分かることだが、右手でとっさに誰かを殴るとなると、相手の右頬に当てることは難しい。
Aさん 「そうなんです。無理でしょ? 相手の右頬を殴りたければ、やりやすいのは手の甲、つまり裏拳です。昔は、卑しい身分の奴隷を殴る時、手のひらで殴ると『手が汚れる』と考えられていたため、裏拳で殴っていたんです」
なるほど! それなら確かにつじつまが合う。
Aさん 「でも、ここからが本題ですよ。右頬を裏拳で殴られた相手が、イエスの教え通りに左頬を差し出したとします。でも、裏拳では無理ですよね? 今度はキレイな手のひらで殴らざるを得ない。そこで主人が、右の手のひらで奴隷を殴ったとしましょう。するとそれは、今までの関係が変わった、ということを意味するのです。『主人と奴隷』の関係から、『対等』になってしまうのです。この事実は、殴る主人の側にとって大変屈辱的なことなのです。実は、ここに真意があるんです」
なんと!! 暴力を用いることなく、主人にここまで巧妙に屈辱を与えるとともに、自らの立場を変える方法がほかにあるだろうか! ガンジーの「非暴力不服従運動」にもつながる精神を感じる。そう、イエスは何も「奴隷のままでいて、全てを受け入れ、現世では我慢するように」などと言っていたわけではなく、“平和的な闘い方”を教えていたのだ。
イエスの真意をねじ曲げた支配者たち
魔女である筆者には、死者や守護霊・守護神とも会話するチャネリング能力があるが、イエスや聖母マリアとつながった経験も持つ。彼らによると、「現在のキリスト教は、政治・経済的支配者によって、都合良くねじ曲げられた。聖書の何箇所も書き換えられてしまった」とのことだ。
確かに、長らく邪教とされてきたキリスト教がローマ帝国で国教化したのは、コンスタンティヌス帝の「ミラノ勅令」(313年)によるものだが、ここには帝国を一つにまとめる政治的意図があった。ローマ帝国領内では、もともと多くのローマ人が信仰していた「ミトラ教」、ゲルマン民族やケルト民族の土着信仰など、多神教が主流であったが、その考えだと「ローマ皇帝は神の一人」にすぎない。しかし、一神教であるキリスト教をうまく利用し、「ローマ皇帝の地位は唯一神であるヤハウェから授かった神聖なもの」という解釈を作り上げれば、自らの地位を確固たるものにすることができる。加えて、キリスト教は清貧な禁欲生活を勧める。ローマ市民が「たとえ生活が困窮しても、我慢して来世で神の国に行く」と考えるようになることは、支配・統治に実に好都合だったのだ。
イエスは、決して搾取する側とされる側がいる社会や奴隷制度を認めていたわけではない。彼は「神のもとでは人類は平等に創られた」と説いている。支配者であるローマ皇帝、そしてその権力とつながるバチカンは、このイエスの教えを軽視して、本来は平等を勝ち取るための戦術を説いたはずの「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」という言葉さえもねじ曲げてしまったのではないか。そしてこの言葉は、ねじ曲げられたまま現在に至る、ということなのだろう。
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2024.10.02 20:00心霊キリスト教「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」の真意とは!? ~ハーバード大の講義でわかった意外な解釈~のページです。キリスト教、ハーバードなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで