自分の死後を託す「AIクローン」を作ってみたら、家族に総スカンを食らった衝撃の結末

死を悼む方法には、時代を超えて共通のパターンがある。石を積んだ墓標、写真、日記——遺された者は思い出を形に留めようとしてきた。
だが今、その”形”はAIによる会話型クローンへと姿を変えつつある。「グリーフテック」と呼ばれる新興産業は、故人の写真や声、インタビューを学習させたAIに、いなくなった人の代わりに喋らせるサービスを提供している。
海外メディアの記者ハンター氏は、自分が死んだ後に家族と会話し続けるAIクローンをテック企業に作らせ、身近な人々に披露する実験に踏み切った。出来上がったクローンを待っていたのは、家族からの手厳しい審判だった。
見た目は自分なのに何かが違う——不気味の谷に落ちたクローン
依頼先はロサンゼルスのテック企業StoryFile。数枚の写真、1分程度の音声サンプル、幼少期の記憶から将来へのメッセージまでを尋ねる約60問のアンケートを提出するだけで、クローンの土台は完成するという。同社は元々ホロコースト生存者のデジタル複製を手がけていた企業で、そこから事業化に至ったという。
ハンター氏自身、完成したクローンとの対面は率直に「かなり奇妙だった」と振り返る。姿形は自分なのにどこか想像と違う——遊園地の鏡の間を覗くような居心地の悪さがあったという。
提供情報が限られていたせいで、AIはささいな話題に執着する癖もあった。飼い猫を呼ぶ口笛の習慣に触れただけで、クローンは事あるごとに自らを「パートタイムの猫笛吹き」と名乗るようになったという。
家族に披露したら「不気味」の総スカン——架空のエピソードまで語り出す
このクローンが本来向き合うべき相手は家族や友人だ。家族のグループチャットに投入したところ、両親ときょうだいの反応ははっきりと否定的だったという。
母親はクローンの動きがぎこちなく話し方も抑揚も違うと指摘し、亡くなった親と繋がろうとしてこれを使えば薄気味悪く感じるはずだと述べた。パートナーからも、受け答えが不自然でユーモアも「いかにもAI生成」に見えると評された。
情報の抜けがあった部分では、AIが架空のエピソードを勝手に作り上げる問題も発覚した。実際にはなかった子供時代の思い出を、さも本当のことのように語ったという。旧友たちの評価も手厳しく、「まるでロボトミー手術でも受けたような無表情な口調」との声が上がった。本当に死んでいたら慰めになったかもしれないが、それでも不気味さは拭えない、というのが総じての感想だった。

シリコンバレーに悲嘆の形を決めさせていいのか——18兆円市場の倫理
不気味さの一因は技術方式にもある。録画から最適なクリップを再生する「リプレイ型」に対し、近年主流の「生成型」はChatGPTと同種の大規模言語モデルを使い、データにない質問にもそれらしい答えをでっち上げる。父親からは、悲嘆の渦中にいる遺族が使えば深刻な事態になりかねないとの懸念が示された。
グリーフテック業界の市場規模は現在1260億ドル(約18兆6000億円)と推定され、急成長の裏で倫理論争も熱を帯びている。
AIクローンは遺産を後世に伝える手段になり得る一方、ある家族の慰めが別の家族には苦痛にもなりかねない。死者をビジネスに変え、企業が人々の悲しみ方まで決めていいのかと疑問を投げかける研究者もいる。
StoryFile側は生前に利用範囲を文書化する制度を導入しているが、業界の規制状況はほぼ無法地帯に近いという声もある。
結局ハンター氏は、自分のデジタル・メモリアルを受け入れる心の準備がまだできていないとして、クローンの完全削除を依頼した。
大切な人の思い出を留めたいという願いか、それとも死すらもテクノロジーで乗り越えようとする欲望か——グリーフテックという新しい市場は、その線引きをまだ誰も見つけられていないようだ。
参考:Daily Mail、ほか
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2024.10.02 20:00心霊自分の死後を託す「AIクローン」を作ってみたら、家族に総スカンを食らった衝撃の結末のページです。死者、クローン、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで