【海外民俗学】“ヨーダ”だけではなかった! 中世のキモくてアブないモンスターたち6選!
先日のトカナでは14世紀の『スミスフィールド教皇教令集』(大英図書館所蔵)の中から映画『スター・ウォーズ』の“ヨーダ”が発見されたことを取り上げて話題を呼んだが、中世にはこのほかにも怖くてキモくてヤバいモンスターたちが跳梁跋扈していた(!?)のだった……。
■中世のモンスターを再結集した新刊
来月出版される書籍『Medieval Monsters』は、中世の文献に登場する怪獣や怪物を数多く集めて紹介している注目の一冊だ。共著の2人の歴史ライター、ダミアン・ケンプ氏とマリア・ギルバート氏は大英図書館に足繁く通い、5世紀~15世紀の文献を念入りに調べ上げてこれらのモンスターたちのイラストとエピソードを収集し、一冊の本にまとめあげた。
「中世の人々はこれらのモンスターが世界の辺境に生息していると信じていました。そして、中世の著述家やイラストレーターたちはこれらの現実離れしたグロテスクな悪霊やドラゴン、怪獣、半獣人などを生き生きと描写して生命を吹き込んだのです」と2人は「Daily Mail」の記事の中で言及している。
では中世にどんなモンスターがいたのか、本著の内容から少し取り上げてみたい。
●パノッチ(Panotii)
ギリシャ語で「全ての耳」を意味する「パノッチ」という名をつけられている通り、巨大な耳を持ち、寒い夜などは耳を広げて毛布代わりに身体を覆うこともあるということだ。
飄々とした風貌(!?)にもかかわらず、とてもシャイな一面があり、知らない者に出くわすとこの大きな耳を拡げて翼のように羽ばたき飛び去ってしまうらしい。
●ピグミー(Pygmy)
『東方旅行記』の著者として知られる中世イギリスの騎士で探検家のジョン・マンデヴィルがエチオピアからインド、中国を巡る旅の途中で遭遇したモンスターがこのピグミーだ。
ピグミーには頭も口もなく、その代わりに身体に小さな穴が開いており、そこにストローのようなものを挿して食物や飲み物を吸い込んでいるという。
●ブレムミュアエ(Blemmyae)
ピグミーと同じく頭がないが、目と口は胸の部分にある。人間には危害を加えないモンスターで、胸にある顔が微笑んだり歯を見せて笑ったりすることからもっぱらコミカルな存在として描かれていたという。
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