社会の敵ランキング1位・最凶の麻薬王エル・チャポの「大脱獄劇」! 彼の生き方、逃げ方、メキシコの闇(総まとめ)
■チャポ再逮捕
2014年2月22日、シナロア県のマサトランで、メキシコ海兵隊の特殊チームによってチャポは逮捕された。この逮捕劇にはメキシコの警察・軍以外にも、アメリカのDEA(麻薬取締局)も連携していたという。また、アメリカ当局が導入した無人探索機がチャポの居場所の特定に使われるなどハイテクな作戦だったと報じられている。
彼の隠れ家には多数の監視カメラが設置され、また、浴槽の下には屋敷の外に通じる隠し通路も掘られていた。このチャポ逮捕の報を受けたエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領はすぐさま自身のツイッター(@EPN)でチャポの逮捕を報告、メキシコの司法と警察の麻薬カルテルに対する勝利宣言とした。
こうして、メキシコでも警備レベル最高クラスのアルティプラーノ刑務所に収監されたチャポだったが、ここでも特別扱いを受けることになる。収監中にもかかわらず現妻でミス・シナロア優勝者のエンマ・コロネル(26歳)をはじめ、彼の母や娘の長時間に渡る訪問を受けていたなど、その扱いは別格だった。
■再脱獄
そして2015年7月11日、チャポが再脱獄を決行する。
刑務所内監視カメラの映像によると、同日の夜20時52分頃、シャワー室の排水口部分に近づき身を屈めビデオカメラの死角に隠れたチャポが記録されている。その後看守が同房を巡回すると、既にチャポは脱獄用トンネルに消えた後だった。刑務所当局によれば、チャポが脱獄トンネルに消えてから18分後の23時に警報が発令されたと発表している。しかしながら、刑務所からチャポの脱獄に関する連絡がメキシコ陸軍、海兵隊に伝えられたのは、日付が変わった12日0時30分だった。トンネルの全長からチャポが脱獄を終えるまで2時間以上かかることを考えると、この初動の遅れが脱獄を許してしまった決定的な要因のひとつとして考えられており、現在もメキシコ国内外から強く非難されている。
チャポ逮捕時から再三に渡り身柄引き渡しをメキシコ政府に強く求めていたアメリカDEA特別チーム責任者のジャック・リレイ氏は、
「まさに恐れていたことが起こってしまった。脱獄の可能性を拭いされなかったので、米国はメキシコに一日も早い身柄の引き渡しを要求していたのだが……」と残念がり、
「チャポは過去にも脱獄しているのだから、今回の脱獄計画も予見できたはず。彼の身柄を同じ場所に長期間勾留しておくことは、メキシコの現状では難しいと考えている」とコメントしている。
また、DEAの報告書によると、チャポは同刑務所に収監された直後から今回の脱獄計画を練っていた可能性が高いと指摘している。
さらに、再逮捕後間もない2014年3月にDEAが作成したレポートでは「(チャポ)グスマンは早い段階でシナロア・カルテル、または同カルテルから資金援助を受けた系列カルテルによる脱獄作戦が計画されるであろう」と記しており、その作戦遂行に際しては「刑務所の幹部クラスが脅迫等で強制的に作戦に協力させられる可能性」を示唆。賄賂で抱き込んだ刑務官や別の囚人の面会のために刑務所を訪れる弁護士などを利用して、外部との連絡手段を確立していたともいわれている。
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2024.10.02 20:00心霊社会の敵ランキング1位・最凶の麻薬王エル・チャポの「大脱獄劇」! 彼の生き方、逃げ方、メキシコの闇(総まとめ)のページです。麻薬、脱獄、ラウタ郎、エル・チャポなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで