社会の敵ランキング1位・最凶の麻薬王エル・チャポの「大脱獄劇」! 彼の生き方、逃げ方、メキシコの闇(総まとめ)

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■脱獄用トンネルはどうやって掘ったのか?

 この脱獄に使われたトンネルは、チャポが掘ったものではなく、彼の命令でシナロア・カルテルまたはその関連組織が掘ったと考えられている。同刑務所の囚人日課では、チャポは毎日1時間ほど独房の外に出ることが許されており、脱獄の打ち合わせやトンネルの位置確認などの準備も、この時間に買収した刑務官や訪問した弁護士などを通して手配していたと考えられる。

 トンネルは、シャワー室から真下に10m続く縦穴から始まる。縦穴を下りきったところに、高さ1.7m、幅80cm、全長1.5kmの横に伸びる脱出用トンネルが用意されていた。

 天井も壁も非常に強固に作られており、また地面には掘り起こした土砂を運び出すためのレールと、このレール上を走れるように改造された土砂運搬用バイクも見つかっている。トンネル内の排気にも塩ビパイプ製の換気用通風ダクトが天井に備え付けられており、照明器具も整っているという、素人の仕事とは考えられない、本格的なトンネルである。

 このトンネルを調査したアメリカ国家保安局のジム・ディンキンス捜査官は「この規模のトンネルの建設には少なくとも18カ月~2年の時間が掛かるはずだが、ボスのために急ピッチで建設を成し遂げたのであろう。また、建設時の位置確認や騒音対策などさまざまな観点から、刑務所側の協力者がなくてはならない存在だ」と語る。

 また、メキシコ・アメリカ国境に無数に存在する不法入国用の越境用トンネルを数多く操作してきたメキシコ・サンディエゴ警察の元捜査官ジョー・ガルシア氏は「これまで見てきたトンネルでは最長だ」と驚きを隠せない。

トンネルの様子を捉えた映像「YouTube」より

 トンネルの建設作業に関しては、アメリカ財務省がシナロア・カルテルのフロント企業としてマネーロンダリングに関わっているとする242企業のうち、メキシコ、スペイン、コロンビア、グアテマラなどに点在する建設業10社と鉱山会社1社が何らかの形で建設作業に協力した疑いがあると述べている。

 そしてチャポは、このトンネルと通り、7月12日には姿を消したのだった。警察や軍の捜査は困難を極め、チャポの潜伏先がメキシコ国内なのか、それとも既に海外に脱出しているのかも不明な状況が続いている。

 引き続きメキシコ当局、アメリカ当局はチャポの首に懸賞金を掛け、捜査の範囲をメキシコからインターポールを通じて全世界に広げているが、依然として足取りはつかめていない。

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