ホーキング博士「ブラックホールから抜け出す方法がある」「別世界に行ける」
人類の火星進出後にはきっと多くの人が体験することになる宇宙旅行だが、その際に気になるもののひとつがブラックホールの存在だ。宇宙のあらゆるものを飲み込むブラックホールだが、もしここに落ちたら一巻の終りなのだろうか……。だが、安心してもいいのかもしれない。ホーキング博士は先頃、「出られる方法がある」と発言したのだ。
■ブラックホールに飲み込まれた情報は戻ってこれる
「もしブラックホールに落ちてしまったと感じても、命を諦めてはいけない」と、8月25日にストックホルムのスウェーデン王立工科大学(KTH)で行なわれた講演会で語ったのは「車椅子の物理学者」ことスティーヴン・ホーキング博士だ。つまり、宇宙旅行の途中にもしブラックホールに落ちてしまってもまだ“希望”は残っているということだ。
話を整理するために、ここでいったん1970年代まで遡ることになる……。宇宙空間に存在する極めて高密度かつ大質量であるブラックホールは、その重力があまりにも強力なため付近のあらゆるもの飲み込み、光でさえも引き寄せるという「宇宙の墓場」だ。一般的な物理学に基づけばひとたびブラックホールに吸い込まれてしまった物質や情報は、海ならぬ宇宙の“藻屑”として跡形もなく消滅してしまうとこれまで考えられてきた。
ホーキング博士自身、1974年に「ホーキング輻射」という概念を持ち出し「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論を発表している。つまりブラックホールに落ちてしまった以上、最終的にはきれいさっぱり消えてなくなるということだ。
しかしその後台頭してきた量子力学の観点では「情報は無くなりもしなければ作られることもない」はずであり、ホーキング博士らの理論に疑問が投げかけられることになる。「ブラックホール情報パラドックス」と呼ばれることになったこの矛盾を解決すべく、以来、数々の理論物理学者たちがこの難問に挑んでいる。
そして昨年、ホーキング博士は自説を修正・発展させている。昨年1月に発表した短い論文によればブラックホールは決して“暗黒の墓場”ではなく、飲み込まれた物質とエネルギーと情報は事象の地平面(event horizon)に一定期間とどまり続け、ブラックホールの寿命が尽きた後に再び宇宙に戻ってくるということだ。吸い込まれた光もまた抜け出すことができるというとで、この理論によって「ブラックホール情報パラドックス」の矛盾は解決するというのだ。そして今回、ホーキング氏のこの新理論の詳細がさらに紐解かれることになったのだ。
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