【古代遺跡と古代人の謎】ストーンヘンジ周辺住民の“真に優雅な生活”が明らかに!!
■ストーンヘンジとダーリントン・ウォールズの関係
ダーリントン・ウォールズにはストーンヘンジの石柱とほぼ同じ9メートル級の木製環状モニュメントがあったことが明らかになっており、考古学者達は、ダーリントン・ウォールズとストーンヘンジは個別の遺跡ではなく、それらまとめて1つの巨大遺跡であった可能性があるとして、研究を進めている。また調査によると、食器の類はストーンヘンジでは10数個しか見つかっておらず、ダーリントンではその千倍ほど発掘されていることや、ストーンヘンジから土葬や火葬を行った跡が見つかっていることから、古代の人々は、ダーリントンを生活の場とし、ストーンヘンジを神聖な場として捉えていたのだろうと、シェフィールド大学の考古学者はみている。
■まるまる豚を太らせて食べていた!
さらにシェフィールド大学の研究によると、当時の人々は豚をまるまる豚を太らせてから食していたことが発掘された大量の骨から分かっている。時代的に考えて、家畜を育てていたとは驚きである。考古学者は「当時の人々は秋から冬の食料に乏しくなる季節に備え、計画的に家畜として豚を飼育していたのでしょう」、と語っている。
なんと、古代の人は、室内で切り分けた豚肉を煮たり焼いたりしていたほか、外では今のバーベキューのようにして大勢で食事を楽しんでいたと考えられているのだ!
そして、発掘された骨を化学的に分析した結果、ウェールズやイギリス北部から連れられて来た豚もいることから、
「このことは、ストーンヘンジの建設にあたって、イギリスの様々な地方からかなり多くの人々が集まってきた証拠になるでしょう。また宴会の形跡から見ても、奴隷を引き連れていたということは考えにくいのです。これも、ストーンヘンジが奴隷によって築かれたものではないという1つの証拠になるでしょう」
と、ヨーク大学考古学研究のチーフであるオリバー・クレイグ教授が専門誌に記している。また、発掘された骨からみて、羊やマトンを食べる習慣はなかったようだ。同様に、野菜を育てたり、消費していた形跡も見つかっていないという。
ヨーグルト、チーズ、豚肉、ヨーグルト、チーズ、豚肉……、ストーンヘンジの建築にスタミナを付けなくてはいけないのはさておき、ちょっと胃に持たれそうな感じもしなくもないが。
■1つのコミュニティとして食料も分け与えて
クレイグ教授が言うには、
「ダーリントン・ウォールズからの発掘を含め、先史時代の食事は先に考えられていた以上に大規模なものであることがわかってきました。先にいた住人はもとより、移住してきた人にも食事を分け与えたりして、ストーンヘンジの建造という下に大きなコミュニティが形成されていた可能性が大きく信ぴょう性のあるものへとなってきました。また、郷に入っては郷に従えと、移住してきた人たちも、料理の仕方から、ゴミの処理などを教えてもらっていたようです」
とのこと。
また儀式を執り行っていた場所からも、ミルクを入れていた器が発掘されている。これは、食器として使われていたのではなく、先史時代見知らぬ者を受け入れる儀式に使われていたものだと考えられている。謎に包まれたストーンヘンジでがあるが、実際に築き上げた人々の食事に着眼すると、現代人が忘れている人と人との温かい交流を垣間見ることができるのではないだろうか。
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