いまだ科学では解明できない「女の潮吹き」の謎
■「スキーン腺」から出る液体と尿に近い成分の2種類ある“潮吹き”
近代的に「潮吹き」が検証されたのは、1904年に心理学者のハブロック・エリス博士によるものが最初であると言われている。エリス博士は、「潮吹き」は男性の射精に類似する現象であり、膣内の潤滑のためにバルトリン腺から分泌されものとしている。
しかしそれから約50年後、エルンスト・グレフェンベルグは、「潮吹き」は膣内の前壁にある性感帯を刺激することによって頻繁に出されることを観察によって確かめ、膣内の潤滑にあまり関係ないという反論をしている。この膣内の性感帯こそ、後にグレフェンベルグの頭文字GをとってGスポットと呼ばれるものだが、「潮吹き」はそのGスポットの下に位置する尿道腺からだされているが尿ではないと主張し、尿であるとする当時のもう一つの仮説に対抗する説とされていた。
それから30年、実際にその液体がどこから出てきているかが確認されたのは、1982年のことである。「潮吹き」の液体は、女性の前立腺とも言われるスキーン腺から出されていたことが判明したのである。しかし、この神秘の液体がなんであるのか、人によって排出される量も、質も異なるこの現象がなんであるのかの特定には至っていなかった。
一部の女性は、水で薄めた牛乳によく似た液体をごく少量(2ml~4ml)ほど出す一方で、30ml~150mlにもなる尿に似た液体を出す女性もいる。この2種類の異なった液体こそ共に「潮吹き」によるもので、少量のミルク状のものはスキーン腺から尿道に流れ込み排出されるものであり、一方量が多く透明に近いものは、ごく最近「Journal of Sexual Medicine」に発表されたフランスのシェズネーにある病院のサミュエル・サマラと彼のチームの研究発表によると、尿に近い成分であるが前立腺特異的アンドロゲンを含んでいることが確認された。
サマラと彼のチームによる実験検証は、7人の被験者によるもので、尿のサンプルを採取した後に、超音波検査によって膀胱が空になっているのが確認された後に、マスターベーションもしくは、パートナーとの性行為によってオーガズムに達するまで性的刺激を受けた時と、「潮吹き」によって液体が排出された後に、再度超音波検査を受けると言うものであった。
最初の超音波で検査では膀胱が空であったものが、2度目の検査、つまり性的興奮が高まってきた時点では液体で満たされ、3度目の検査、「潮吹き」後の検査では再び空になっているという結果になった。この実験によって、「潮吹き」が不随意の排尿であるこということが結果として導き出されたことになる。
■成分のほとんどは尿だが謎は残る
それでは、「潮吹き」は、おしっこなのか? という単純な疑問に対して、イエスと答えてもいいものなのだろうか? その質問には、まだ簡単には答えられそうもないというのが現実らしい。実際に、「潮吹き」の液体のほとんどは尿であることはわかったが、Gスポットへの刺激の際に分泌される前立腺特異的アンドロゲンを含んでおり、排尿との比較した場合の量も、身体の反応も違うという。
また、「潮吹き」がどのような性的な意味をもっているかもわかってはいないという。一般的には、Gスポットへの刺激、リラックスしている状態と、性的快感の微妙なバランスから生じる反応であって、健全な性的関係の指標ととれるのだが、まだまだ謎が多いという。女性の身体は、神秘のままでいいと思っている男性も多いかとおもわれるが、科学的にもまだまだ神秘的であり続けているようである。
(文=高夏五道)
参考:「Independent」、「RawStory」ほか
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