UFO、心霊、超能力…! 70年代~現代オカルトを徹底検証した決定版が発売される~ケロッピー前田インタビュー~
■日本沈没と日本人の民族性、日本とは何か?
――そこからさらに盛り上がっていく感じですか?
前田「第二のヤマ場は、日本沈没と失われた大陸伝説です。『日本沈没』については、2011年の3・11の東日本大震災&原発事故があったあと、7月に小松左京が亡くなって、それについての記事を書くチャンスがありました。震災のあとに、73年公開の映画『日本沈没』やその原作を読み返してみると、全然違う印象で迫ってきたんです。原発事故が起こったとき、海外のメディアが驚いたのは、放射能の危険性があるのに、日本の国民が無責任な政府や東電の指示に従順であったことでした。その作品はSFパニック巨編であるけれども、小松左京の強烈な日本人論であったりするんです。彼は、日本人は日本列島という土地を離れては生きてはいけない土着民で、日本を離れたら自分たちのアイデンティティを失って、生きていけないと、皮肉めいて書いているんです。そして、この国の為政者はそのことをわかっているわけですよね」
――最近の問題についてもいろいろと考えさせられますね。
前田「そこには『日本とは何か』という問いがあります。そして、最後のヤマ場といえるのが終盤で、五島勉『ノストラダムスの大予言』の章を経て、そのままエピローグに突入します。そこでは、2020年東京オリンピックの開催について、そのことを予言したといわれる大友克洋の『AKIRA』をひも解き、破壊と覚醒が結びつく日本におけるオカルト的な神話、そこから予想される新たなオカルトブームへと展開して、フィナーレを迎えます」
※後編は、さらにディープな前田氏の「オカルト論」を掲載します
(聞き手=トカナ編集部)
[著者プロフィール]
前田亮一(まえだりょういち)
1965年東京生まれ、千葉大工学部卒後、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。ケロッピー前田のペンネームで世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。
■前田亮一 著『今を生き抜くための70年代オカルト』
光文社新書 2016年1月19日発売
本体価格820円(定価886円)
大槻ケンヂ氏推薦!
「僕らの体験したオカルト」とは何だったのか?
それを再考することは、もはや大人のたしなみ。
好奇心の火が必ず胸にまた灯る。
帯画:シライシユウコ
[出版記念イベント]
2月8日(月)19:30~ @高円寺パンディット
・http://pundit.jp/
前田亮一著『今を生き抜くための70年代オカルト』を解剖する!?
[出演]前田“ケロッピー”亮一[ゲスト]角由紀子(TOCANA編集長)、中田薫(ダークツーリズムジャパン編集長)、藤木TDC(フリーライター)、石丸元章(GONZO作家、ブルーズマガジン主筆)[MC]福田光睦(モダンフリークス)
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