STAP細胞「あって当然」という意見も! 小保方晴子氏が手記で語った真実をめぐる科学畑の見解とは?

■サイエンス・ライターが語った、小保方氏の“科学者としての質”

 しかしその一方で、STAP細胞騒動に対する小保方氏の“科学者としての姿勢”自体に疑問を呈する声もある。トカナでお馴染みのサイエンス・ライター、川口友万氏は編集部に対して次のようなコメントを寄せた。


「そもそも、小保方さんの問題はES細胞のコンタミ(コンタミネーション、混入)があったかなかったか、ではありません」

「外部から批判を受けた時に、なぜ『STAP細胞はあります!』などと泣きながら会見したのか。発表された論文が、ほかの研究者による追実験によって間違いだとわかることは、往々にしてあります。他者による検証を受けるために論文発表があるといっても過言ではないのです」

「ほかの研究者が、STAP細胞に再現性がないと言った。真っ当な研究者であれば、その時点で再実験を行います。そして、結果がポジティブであれば再び世に問えばいいし、間違いであれば、なぜ間違えたのかを明確にすればよいのです。人は間違えますし、それは当たり前なのです。それなのにどうして、意地になって自分が正しいと言い切ったのか。ガリレオの『地球はそれでも回っている』のように、宗教と科学の対立という構図とはわけが違うのだから」

「さらに小保方氏は、理化学研究所の再現実験に対して、『最後まで自分が立ち会えなかった。理化学研究所の第三者が細胞の取り扱いを間違っていたから、ネガティブな結果しか出なかった』主旨のことを書いていますね。地球上で1人しか成功できないような実験は、それは実験科学においては間違っているのです。その人にしかできないのなら、それは宗教上の奇跡であって、科学ではない」

「なぜここまで自己弁護に終始できるのかわかりませんし、『仕組まれた罠だった』などと言う以前に、科学者としての態度が根本的になっていなかった。それが小保方さんを含む研究チームを追い込んだ原因だと思います。STAP細胞はありません。それが真っ当な科学の結論です」(川口友万氏)


 果たしてSTAP細胞騒動とは何だったのか? 手記の出版によって、再び国民から大きな注目を集めることとなった小保方氏だが、万能細胞をめぐる現代の科学界の構造や利権問題、さらには小保方氏自身の“科学者としての質”まで、さまざまな要因が絡み合った結果として生じた混乱であった可能性は高そうだ。
(編集部)

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あの日

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