二酸化炭素を石に変化させて地球温暖化防止へ?驚愕の鉱物化技術がまるで魔法!
プロジェクトを行っているヘトリスヘイジ地熱発電所では、今後さらに調査を進めるそうだ。二酸化炭素以外にも毒性が強い硫化水素の排出をなくす実験も行ったほか、二酸化炭素と水を混ぜて酸性液体を作り、北大西洋諸島に多く見られる海底数百メートル下の噴火でできた玄武岩群へと送り込み、pH値の低い(3.5)水が玄武岩内のカルシウムと炭酸マグネシウムを溶かし、二酸化炭素と反応するのを確認した。
また二酸化炭素に炭素14(放射性同位体)を混入させて、玄武岩に注入した二酸化炭素がどう漏れ出すのか、どの位距離を移動するのかを追跡したが、漏れ出した形跡は見つからなかった。「つまり、この実験によって、大量の二酸化炭素を地中に注入して非常に安全な方法で貯留できるということの裏付けがとれたのです」と地質学のパイオニアといえるコロンビア大学ラモント地球科学研究所のマーティン・ステュート氏はコメントしている。
■問題となるコスト面
ただクリアすべき問題はいくつかある。まず蒸気から二酸化炭素を分離するパワーステーションの建設、そして地中深くへガスを注入するための費用がかなり高くつくというコスト面は考慮せねばならない点だ。二酸化炭素1トンあたり水が20~25トンが必要になることから、使用する水の量も相当なものにある。
実用化に向けては、世界中のさまざまな条件の異なる地域で、これまでと同規模のフィールドテストを何度も繰り返すことが必要になってくるだろうと、一部の研究者からは慎重論も出ているようである。
研究チームはコストを下げる方法として、多くの場合で海水の利用が可能だとしている。将来的には玄武岩層が近くにある世界中の発電所や施設でも同じ手法が使えると考えられ、グローバルな規模で同じ技術が活用できることを視野に入れているという。
海面水位の上昇、豪雨や干ばつなどの異常気象、生態系や水資源への影響、砂漠化の進行、熱帯性感染症(マラリヤ、コレラ等)増加、穀物生産の低下、冷房などの消費エネルギーの増加によるエネルギー不足……。すでに知られた事ではあるが、ざっと挙げるだけでも地球温暖化による弊害はご覧の通りだ。この技術が待ったなしの地球温暖化防止の救世主となるか、期待とともに見守りたい。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「BBC」、「The CarbFix Project」ほか
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