――ダクトを撮る時に注意していることはありますか?
木原 色かぶりしないように作業灯の光を隠すとか、清掃に使う薬品が付かないようにするとか。あと、カメラのレンズはちょいちょい……でも、結構適当ですね。薬品バケツに落としたりすることもあるし。あとは、その時々の自分の感覚に正直に撮ることですが。「こう撮ってやろう」とか変に野心みたいなものは持たないようにしています。と言っても、本当に熱中している時に余計なことは考えないですけれど。
――写真に残すことよりも、撮る瞬間の体感的なことのほうが大きいんでしょうか?
木原 「上がりよければすべてよし」っていう人間じゃないんですよ。サイコビリーとかガレージバンドのライブ写真を撮っていた時期があるんです。客同士が殴り合っていて自分も担がれたり殴られたりするようなライブハウスの最前列で撮っていると、集中しすぎて地に足が着いている感覚がなくなるんですけれど、自分にとってはそういう体感のほうが重要なんでしょうね。