日本ピンチ!? 中国が「水中での量子テレポーテーション実験」に成功! 潜水艦の“盗聴不可能”な量子暗号通信に応用か
次世代の通信技術として大いに期待がかかる量子通信。アメリカや中国を始め、世界中の国々で熾烈な研究レースが行われている分野であるが、新たにユニークな実験の成功が伝わってきた。中国の科学者が、なんと海水中での量子テレポーテーションに成功したというのだ。海外サイエンスメディア「Science Alert」、「New Scientist」が相次いで報じている。
■量子テレポーテーションとは?
量子テレポーテーションとは特別な二つの量子が、遠くに離れていても同じ量子状態になる不思議な現象である。量子もつれという特別な関係にある二つの量子のうち、片方の状態を変化させると、もう一方の量子も同じ状態に変化するのだ。この摩訶不思議な現象を利用すれば、安全で高速な遠距離通信が実現できると目されており、最近では地上と人工衛星間での実験も成功している。
さて、今回の研究で実証されたのは、海中での量子テレポーテーションの可能性である。量子もつれを起こした量子は非常に脆弱で、周囲の環境によって容易に妨害される。地上で行う場合は大抵、光ファイバーを介して量子もつれを起こした光子を転送する。だが、今回の舞台は海中である。水には光を吸収、散乱する性質があり、量子テレポーテーションを行うには条件が悪いのは明らかだった。
上海交通大学の研究者らは今回、黄海の海水で満たした3.3メートルのガラスチューブを使い、海中での量子テレポーテーションを想定した実験を行った。すると、量子もつれ状態にある光子は海水チューブを介して伝送され、量子テレポーテーションが可能なことを示した。チームによると、海水を介しても98%以上の正確性で情報をやり取りできるのだという。この研究をまとめた論文は学術誌「Optic Express」に掲載された。
■潜水艦も量子通信?
今回の実験は、海水を満たしたチューブを使って行われたが、実際の海中で同様の結果が得られるか、実用的な情報転送システムに利用できるかどうかについては今後の研究結果が待たれる。しかしこの成功は、間違いなく海中における量子通信に道を開いた。たとえば、海中にいる潜水艦間のやり取りを量子通信で行えば外部からの傍受はほぼ不可能と考えられるなど、将来の安全保障環境に与えるインパクトも決して小さくない。
とはいえ、現在のところ海中での通信可能距離(推定)は900メートルほど。実際には120メートルほどではないかと計算する科学者もおり、まだ実用には程遠いことも明らかだ。しかしながら中国の隣に位置し、領土・領海問題も抱えている海洋国家・日本としては、取るに足らないと捨て置けない研究であることは間違いない。
参考:「Science Alert」、「New Scientist」、「Optic Express」
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2024.10.02 20:00心霊日本ピンチ!? 中国が「水中での量子テレポーテーション実験」に成功! 潜水艦の“盗聴不可能”な量子暗号通信に応用かのページです。中国、量子論、海、量子テレポーテーション、潜水艦、吉井いつき、水中などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで