知らないと損、古代エジプト神話『人類滅亡の物語』の強烈内容とは? 人類の敵となった超残酷女神セクメトを徹底解説!
■生き血の代わりに赤いビール!?

そうこうしている間にも、人間はセクメトによって次々に殺され続けており、ついに人類滅亡のカウントダウンがはじまります。とにかく何か手を打たなければ、と神々は一つの策に賭けることとなりました。
神々と生き残ったわずかな人間たちは力を合わせ、麦と薬草から、真っ赤な色をした生き血にそっくりなビールを大量に作ります。そしてこれを生き血を好むセクメトに飲ませて、酔い潰れたところを捕縛しようという策です。
相当にガバガバな作戦に思えますが、この策は見事に成功し、セクメトは血の色をしたビールを大量に呑み、酔いつぶれて寝てしまいます。その後は、詳しい方法こそ語られていませんが、セクメトが寝ている間に彼女の中から「人間に対する憎しみと殺戮衝動」だけが抜き取られ、人類滅亡という最悪のシナリオは回避されたといいます。
■「人類滅亡の物語」の後のセクメト女神

人間への憎しみと殺戮衝動を抜き取られた後のセクメトは、それでもなお復讐の女神であり続けていたのですが、母性豊かで優しい穏やかな性格の女神となり、エジプトの守護女神として大いに崇拝を集めたといいます。
実は世界的に見られる信仰の形ですが、このように人間に害をなす強力な破壊や疫病の力を逆転して「強い守護の力」と捉えれば、その神は強い力で人々を守る守護神となるのです。

また当時のエジプトにおいては「習合」と呼ばれる、「●●という神は××という神と同じ存在である」という考え方が一般的でした。セクメト女神は「ラーの眼から創られた」という点から、ラーの眼に関連ある数多くの女神と関連付けられています。
特に太陽神ラーは、非常に数多くの神と習合されています。おそらくですが「似ている神は合体させてより強大な力を持つ神とすれば、双方の信者を取り込め、神殿も共有可能となるうえ、同時に礼拝も簡単にできる」というような、合理的な考え方から行われていたものと思われます(エジプト神話においては、そのために信仰と伝承が失われた、現在では謎となった神が少なくないのですが……)。
その一方で「無名の神を人気のある神と同一視することで、無名な神を持ち上げる」という意図から行われた、と思われる習合も見られます。こちらは古代ギリシャにおいて「自分たちの信仰する●●という神は、全知全能の神ゼウスと関係を持った愛人である」とすることでその威厳を高める図式とほぼ一致します。
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2024.10.02 20:00心霊知らないと損、古代エジプト神話『人類滅亡の物語』の強烈内容とは? 人類の敵となった超残酷女神セクメトを徹底解説!のページです。人類滅亡、老人、ビール、古代エジプト、ボケ、神話、神、ファラオ、ライオン、たけしな竜美、ゲブ、セクメト、ラー、天罰、生き血などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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