「身体改造の世界」をケロッピー前田が語る！ 手足切断、性器ピアス、モドゥコン…衝撃写真！

• 
• Xでポスト
• 

■身体改造は精神を覚醒させるか？

――ところで、身体改造で願い事が叶うとか覚醒するとかあるのでしょうか?

ケロッピー　タトゥーに関していえば、図柄のデザインとか、その意味とか、自分の頭の中にあるものやそのときの気持ちを身体に刻むことで残すということはありますね。そこにどんな願いを託すかは本人が決めることですけど。実際、効果はあったりします。

――本当に何かが変わりますかね?

ケロッピー　科学的に言えば、身体改造という行為と、頭の中で何かを願うという行為は、繋がっているものではなくて、バラバラですよ。でも、痛みの伴う行為と、願っている意味をどう結びつけるかは人間が決めることができるから、身体を改造する行為は精神にも影響を及ぼすと言えます。たとえば、未開の部族の人たちには、彼らなりの呪術的な意味があって、痛みの伴う行為を体験する儀式を経ることで、子供が大人になったり、死を恐れなくなったり、社会的な意味や具体的な効果と結びつけられるわけですよね。

――なるほど!

ケロッピー　それに比べると、僕ら現代人は身体改造をすることで、本来の状態に戻るともいえる。

――えっ、どういうことですか?

ケロッピー　本来の“人間”に戻るというか。『モドゥコン・ブック』に出てくる合言葉で『やっと自分のおうちに戻ってきました』というのがあります。僕ら、現代人って、ネットやテレビ、街中の広告も含め、外的なメディア情報に翻弄されながら生きているわけですよ。何々を買わなきゃいけないとか、何々をしなきゃいけないとか。メディアに操作されているわけですよ。だから、僕らには、痛みの伴う体験によって、一回リセットするというか、頭をクリアにするというか、一時的にでも現実の世界に集中することが必要なんです。そこに何か願いを込めたら、それはその人個人の無意識のすごい深いところに入っていく願いになると思いうんです。

――現代社会のノイズの多さは、コンピューター時代だから、なおさらですね(笑)

ケロッピー　未開部族の世界では、子供が大人になる通過儀礼として痛みを知ることは、己を知るとか、自分という現実と向き合うとか、経験と意味をつなぎ合わせる行為であったと思います。この21世紀、人工知能やヒューマノイドまでが登場するとなれば、なおさらでしょう。僕らは痛みの伴う行為を通じて、『自分が人間であること』を確認しないといけない(笑)。

――身体改造の効果について、もっと科学的に調べて欲しいですね。瞑想の効果と似ていたりして。

ケロッピー　ボディサスペンションはある種の瞑想ですよ。悟りまでいかないけど、スポーツでいえば、ランナーズハイの状態だから。脳内物質が分泌されていると思います。じゃないと、フックを貫通して身体を吊り下げるという負荷に精神も身体も耐えられないですよ。そこらへんは、『クレイジージャーニー』でもレポートしてましたよ。

　おーっ、なんかいろいろとわかってきたような気がします。身体改造の世界って、すごいですね!
(次回に続く)

【イベント情報】

音楽ライブ[Night of the Fringe 2Days – vol.7 Day 2]
日時：2月25日(土)18:30～
場所：桜台POOL(練馬区桜台1-7-7シルバービルB2F)
前売・予約:2500円 + 1drink
当日:3000円 + 1drink
Open 18:00 Start 18:30
予約:桜台POOL(https://reserva.be/pool)まで
【出演】
ケロッピー前田&DJ TKD(フォトスライドショー&ライブ演奏)
馬頭將器(Brain Pulse Music)
すずきふみよし(NP)
:DJ:森川誠一郎 DJ TKD
:VJ:Qliphoth
:Booth:八幡書店(ブレインマシンKASINA 体験スペース有)

+++++++++++++++++++++++
［オキュパイ・スクール2018 たま爆発・ザ・公開制作]BUBKA presents
日時：4月1日（日）18:30 ～
場所：高円寺パンディット (杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F）
出演：姫乃たま・じゃぽにか・花房太一・剛田武・石丸元章・ケロッピー前田
前売 1800円 当日 2000円 ※飲食代別
公式HP：http://pundit.jp
サポート：NPOヒューマンビーイングクラブ

■ケロッピー前田（けろっぴー・まえだ）

1965年、東京生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房（コアマガジン）を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』（ともに白夜書房／コアマガジン）などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。書著に、前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』（光文社新書）や『クレイジートリップ』（三才ブックス）など。昨年は、TBS人気番組『クレイジージャーニー』でノルウェーのボディサスペンション世界大会を紹介し、過去の番組で反響の大きかった“極限の光景”ベスト10にて、第1位に選ばれている。
公式twitter：@keroppymaeda

文＝ケロッピー前田

ケロッピー前田の記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

 
• 前のページ
 
• 1
 
• 2
 
• 3

関連記事

• 

  「身体改造」の第一人者ケロッピー前田が語る、今最高にヤバいカウンターカルチャー！ ボディサスペンション、セックスロボット、サイボーグ化…!!

• 

  12歳で少女の体を切り刻むエチオピアの「スルマ族」 ― スカリフィケーションという、痛く美しい儀式

• 

  タトゥー、大麻、頭蓋骨に穴を開ける身体改造などを追う危険な旅／ケロッピー前田インタビュー