1分で死ねる「ファスト安楽死マシン」開発の博士、まずは“VRで死を体験させる”と発表! 尊厳死めぐる議論紛糾!
■VR安楽死
今週末にオランダ・アムステルダムで開かれる葬祭フェアではSarcoの実機が公開され、安楽死体験が可能だという。参加者はVRヘッドセットを装着してSarcoに横たわる。ヘッドセットのモニタにはアルプスの山々か大海原の景色が映し出されるが、ボタンを押すと画像は徐々に暗くなり、1分後には真っ暗になるのだそうだ。
Experience your own virtual VR #euthanasia death in the 3D printed Sarco at the Amsterdam Funeral Expo this Sat 14th and meet the designershttps://t.co/Eb7CZpGf5S pic.twitter.com/gdHX9pVM7e
— Philip Nitschke (@philipnitschke) 2018年4月10日
この安楽死体験プランが発表されると、オランダで自殺防止の活動を行っている団体や政治家などから批判の声が上がった。Sarcoは自殺を美化し魅力的なものに見せかけており、自殺願望を抱く精神病患者や高齢者などを危険にさらすというのである。また、Sarcoの宣伝は自殺防止のための国際的ガイドラインに違反するという声もある。
■開発者フィリップ・ニチキ氏とは
開発者ニチキ氏は安楽死を推進する団体「Exit International」を設立し、オーストラリアで長年にわたって安楽死の権利を訴えている人物であり、同国内で初めて安楽死を行った医師としても知られている。米国の「ドクター・デス」ことジャック・ケヴォーキアン医師に感銘を受け、自らも「死の機械」を研究し続けている。過去には自宅で簡単に作れる「自殺薬」のレシピを公開して物議を醸したこともあった。
ニチキ氏はSarco公開に先駆けて、ウェブニュースメディア「Huffpost」に、なぜ安楽死マシンを開発したのかを綴った手記を寄稿している。この中でニチキ氏は、「尊厳をもって死ぬ」ための情報は入院保険などと同じようなもので、具合が悪くなった時の備えなのだと主張している。人生の「出口戦略」を知り、それをコントロールできるという自信こそが「生」の尊厳を保つことにもつながるというのである。
日本でも安楽死の権利を求める声は上がっているが、合法化への取り組みはほとんど見られない。だが、一部の国や地域では安楽死の合法化が進んでおり、ニチキ氏の住むオーストラリア・ビクトリア州でも2019年6月から安楽死が合法化される。安楽死推進団体「Exit International」の参加者の多くは健康な高齢者なのだという。無償のオープンソース安楽死マシンSarcoが問いかけているものは、高齢化の進む日本でこそ真剣に考えるべき問題だろう。
参考:「Daily Mail」「Exit International」「Hoffpost」ほか
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2024.10.02 20:00心霊1分で死ねる「ファスト安楽死マシン」開発の博士、まずは“VRで死を体験させる”と発表! 尊厳死めぐる議論紛糾!のページです。オーストラリア、オランダ、安楽死、Sarcoなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで