縄文女子たちが“土偶”に絶頂悶絶! 特別展「縄文―1万年の美の鼓動」無敵の超現実性が神秘的すぎる!

縄文女子たちが土偶に絶頂悶絶! 特別展「縄文―1万年の美の鼓動」無敵の超現実性が神秘的すぎる!の画像10焼町土器

 そして、最も多くの関心を集めるのが第4章、縄文時代の国宝6点がはじめて勢揃いする「縄文美の際たるもの」。国宝火焔型土器や縄文のビーナスが集結した、縄文時代の造形美の最高峰となっている。どの角度から見ても魅了される縄文の造形美の普遍性を存分に堪能して欲しい。

 第5章はトーハク所蔵の代表的な土偶である、遮光器土偶をはじめとした「祈りの美、祈りの形」。有名な土偶や珍しい土製品など、普段なら実物を見ることが難しい名作が日本全国から集められているのがすごい。

縄文女子たちが土偶に絶頂悶絶! 特別展「縄文―1万年の美の鼓動」無敵の超現実性が神秘的すぎる!の画像11土偶頭部/耳・鼻・口形土製品

 そして第6章、岡本太郎をはじめ、多くの作家や芸術家が出会い、触発された縄文を紹介する「新たにつむがれる美」で締めくくられる。同展では、展示品の撮影は禁止だが、岡本太郎が見て驚いた土器の実物を並べたコーナーのみ撮影が許可されている。1950年代、岡本が自分のカメラ片手に独自の縄文の美を発見し、日本の縄文ブームの火付け役となったように、展示を見に来た人たちも自分の視点で土器と向き合い、その感動を撮影して持ち帰ることができるのである。

縄文女子たちが土偶に絶頂悶絶! 特別展「縄文―1万年の美の鼓動」無敵の超現実性が神秘的すぎる!の画像12動物形土製品/線刻礫

 さて、あなたはこの展示を見て、どんな”美”を持ち帰りたいと思うだろうか? 

 とにかく、その言葉を超えた造形美の力こそ、縄文の魅力、さらにその時代がおよそ1万3千年前に始まり、約1万年間も続いていたと知ると頭がクラクラする。現代のアートと並べても全く古さを感じさせない、無敵の超現実性と変幻自在の形、見るものを引きつけて離さない神秘性、縄文の土器や土偶に”一目惚れ”してしまう人が急増しているのもうなづける。実物の説得力が半端ないのだ。

 まずは縄文時代の土器や土偶の実物と対面することから縄文ブームに乗ってみてはいかがだろうか?

 ソーシャルメディア時代の縄文の楽しみ方を体感できる素晴らしい展示である。


【展示情報】

特別展「縄文―1万年の美の鼓動」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2018年9月2日(日)まで
月曜休館
午前9時30分~午後5時(金・土曜は9時、日曜は6時まで)
一般1600円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料
問い合わせ:ハローダイヤル(03-5777-8600)
公式サイト:http://jomon-kodo.jp/

縄文時代が始まったとされる約1万3000年前。狩猟や漁撈(ぎょろう)、採集を行っていた縄文時代の人びとが、日々の暮らしのなかで工夫を重ねて作り出したさまざまな道具は、力強さと神秘的な魅力にあふれています。本展では「縄文の美」をテーマに、縄文時代草創期から晩期まで、日本列島の多様な地域で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いに迫ります。縄文時代1万年にわたる壮大な「美のうねり」をご体感ください。

【イベント情報】
9月7日(金)19:00~
『縄文パースペクティブ』@リトルトーキョー 3F (東京都江東区三好1-7-14)
https://shigoto100.com/littletokyo
出演:ケロッピー前田、縄と矢じり(廣川慶明+草刈朋子)※フォト&トーク

文=ケロッピー前田

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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