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 銀座ヴァニラ画廊にて、折原一コレクション『メメント・モリ』展が開催中(10月21日まで)である。

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折原一、推理作家の仕事部屋にて

 折原一(いち)といえば、ミステリー作家のヒットメーカーとして知られ、『倒錯のロンド』(講談社文庫)、『異人たちの館』(文春文庫)などが有名である。一方で、コレクターとして、骸骨をテーマとする絵画作品や立体作品を長年収集し続けており、そのこだわりにおいても他の追従を許さない独特の審美眼が貫かれている。

 今回は、折原が過去に行った2つのコレクション展、石田黙展(2007年)と骸骨絵展(2011年)を一部の熱狂的な愛好家からの支持もあり、ここにグレードアップして再現しようというものである。

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三浦明範《再生・昼・夜》 祭壇画となっており中央には臨月を迎えた画家の妻

 ちなみに、石田黙は、1970年代の数年間、死の世界を思わせる黒と白の幻想的な絵をひたすら描き、80年代の初め、静かにこの世を去っていった無名の画家だった。だが、折原が個人的にコレクションを始め、のちにミステリー小説『黙の部屋』として発表したことで、再評価のきっかけに繋がったことも折原のコレクターとしての力量を感じさせる。

 ヴァニラ画廊の展示では、広い展示室Aは、収集のきっかけとなったベルナール・ビュッフェの作品から始まり、三浦明範の祭壇画、古吉弘のヴァニタス画、アメリカの死刑囚ジョン・ウェイン・ゲイシーのピエロ画など、骸骨をテーマにした絵画作品や立体作品がひしめき、推理作家の仕事部屋が再現されている。もうひとつの展示室Bは、すべての壁面を石田黙の暗黒の絵画作品が覆い尽くし、その死を思わせる世界にどっぷりと飲み込まれていく。

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推理作家の仕事部屋

 銀座に突如として現れた異空間、折原一コレクションの密室で、ご本人に鑑賞のポイントとその審美眼の奥義を聞いた。

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