エイリアンの頭蓋骨か?部族の奇習か? 長くて尖った頭蓋骨がロシアの遺跡で発見される!
ロシア中央部にある都市チェリャビンスクからほど近い、古代遺跡アルカイムに、後頭部が卵の様に細長く、尖った形をしたいわゆる“グレイタイプ”のエイリアンのような奇妙な形をした頭蓋骨が発見されたと、7月27日の「DailyMail」が報じている。
UFOウォッチャーやエイリアン愛好家らが「これこそ地球外生物の存在証拠だ」として熱い注目を集めている今回の発見はどのようなものだったのだろうか?
■乳幼児の頭部を縛り上げて細長く変形させた!?
もっとも、考古学者らは冷静だ。
この頭蓋骨はおよそ2000年ほど前の女性のもののようだが、なぜこのような形をしているのか、ちゃんと理由があるというのである。
研究者であるマリア・マクロヴァ氏は発見された骸骨の保存状態が良いことに喜びを表しつつ、ロシア政府系メディア「Tass」の取材に対し、現在のロシア南部やウクライナ、カザフスタンにまたがり居住していた「Sarmati」という部族の女性であった可能性を示唆している。
「この部族には乳幼児の頭部を縄できつく縛り上げて、細長く変形させる風習がありました。これは明らかに彼らの伝統であったことを示しています」(マリア・マクロヴァ氏)
このようなエイリアンのような頭蓋骨はメキシコでも発見されており、そちらは「ヘッド・バインディング」と呼ばれるもので、古代マヤ人が民族的違いや社会的地位を示すためにやはり人為的に行っていたものだという(オカルトでは古代南米人が宇宙人を崇拝していた証拠という説もあり)。もっとも、頭部を縛り上げたり木片で挟むなどして変形させる風習は、「頭蓋変形」として古代から世界各地に存在するため、そうめずらしいことではない。
しかしながら、「パラカスの頭蓋骨」のように、発見された変型頭蓋骨の遺伝情報を調べた結果、現生人類とはほど遠いDNA鑑定結果が出ている例もあるため、エイリアン説を強く否定することもできないケースがあるのも確かなのである。
今回頭蓋骨が発見されたアルカイム遺跡自体も、多くの謎を残した場所だ。1987年に発見されたこの遺跡は紀元前17~18世紀頃、今から約4000年ほど前に建てられたとされており、ロシアのストーンヘンジとの呼び名を持つ。古代天文台でありながら、ふたつの大きな石の壁に護られた要塞都市としての顔も持っているのである。ぐるぐるした渦巻き貝のような二重円形で、円心を取り巻くように各住居が並ぶ集合住宅になっており、この構造が防衛上なのかそれとも宗教的な意味を持つのか様々な説があるが、未だ解明されていない。もちろん、この部族がなぜこのような伝統をもっていたのかも不明だ。変型頭蓋骨をとりまく謎の数々の解明と報告を待ちたい。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」、「Mirror」ほか
【参考】
・世界銀行元職員「長い頭蓋骨を持ったヒト科の生物が世界を牛耳っている」!? ブログ「In Deep」管理人の新刊
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