堀ちえみや池江璃花子を救うのは、あの「丸山ワクチン」の進化版か!? がん治療の最前線が興味深すぎる!

■ついに免疫療法の本領発揮へ!

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本庶佑氏 画像は「Wikipedia」より引用

「がん免疫チェックポイント阻害療法」の最大の特徴は、これまで手に負えなかった進行性のがんにも効果が見られることだ。

 完治する患者は数%しかいなかった悪性黒色腫(皮膚がんなど)患者の20~30%が、長期間(5~10年)生存することがわかったのだ。また、免疫療法が効かないと言われてきた肺がんに効く例も出ている。

 薬を作るコストが非常に高く、現時点では年間数千万円もかかるのが難点だが、将来性は非常に高い。そして、がん免疫療法はさらに進化している。

 たとえば1センチの腫瘍でも10億個ものがん細胞でできているので、いくら免疫を上げても、腫瘍を外から崩すことは難しいと考えられてきた。もちろん、腫瘍の中に浸透して攻撃するタイプの免疫細胞もいるのだが、それは数が少なすぎて到底太刀打ちできない。そこで、腫瘍を切り取ったらその中に浸透している免疫細胞を取り出し、それだけを増やす。つまり、腫瘍を内側から破壊するゲリラのような免疫細胞を大量に作って、投与すればよいというわけだ。

■最先端はハンパなく過激!

 このように、特定のがんをやっつける免疫細胞を体の外で増やしてから戻す「細胞移入療法」は、がん免疫療法の中でも最新技術だ。そして、その中でも一番過激なのが、放射線で免疫系を“全部破壊する”という方法である。驚くような話だが、これはどんな仕組みなのか?

 アメリカでは試験的に行われたそうで、腫瘍内の免疫細胞を体外で増やすところまでは一緒。しかし、ここからがすごい。次の段階として、なんと強力な放射線で体の免疫細胞を完全に死滅させてしまうのだ。

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マクロファージががん細胞を認識したところ 画像は「Wikipedia」より引用

 免疫細胞が完全になくなってしまうと、人間は無菌状態じゃないと生きていけないうえ、健康な細胞まで猛烈なダメージを受ける――と、ここでがん細胞の攻撃のみに特化した免疫細胞を一気に戻してやる。その効果はすさまじく、末期がんが治った患者までいるというからすごいが、これは命を危険に晒すどころでは済まされない“最終兵器”といったところか。

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