身体改造の第一人者「ケロッピー前田」ってクレイジーな人なの? 性器改造大会に参加、海外で縄文タトゥー展、ボディサスペンション実践…

——しかし、ケロッピーさんのエピソードはひとつひとつが濃いんですよ。たとえば、大学時代にインディーズシーンで有名だったツァイトリッヒ・ベルゲルターというバンドにドラマーとして加入されています。しかも、初ステージが中野公会堂で、その世界では超有名だったサイキックTVのフロントアクトという。

ケロッピー 高校のときにバスケ部にいたから、突然の大きなライブも大事な試合の出場メンバーに選ばれたような気分だった。そういう意味では本番のプレッシャーには慣れてたかな。本番まで3週間くらいしかなかったけど、わりとスポーツ感覚でやっていました。

——いやいや、なかなかできるもんじゃないでしょう。

ケロッピー ベルゲルターでの経験はそういうこと以上に、自分が20歳くらいの段階でカルチャーが生まれる生の現場にかかわることができたことが大きいかった。80年代、日本でもインディーズの音楽シーンはすごく盛り上がっていて、そのときに、超個性的なサウンドで人気を得ていたバンドのメンバーを経験できたことは、本当に貴重だったと思います。

■「サファリパークみたいな会社」で編集者に

——ところで、その後、ケロッピーさんは白夜書房に入られるわけですが、その社風でもある実践主義は、ケロッピーさんにも大きく影響しているんじゃないでしょうか。いまも体を張って取材してますよね。

ケロッピー 当時、どこの雑誌でも編集者の体験ルポみたいなものは結構あったんですよ。そうは言っても、白夜書房のそれはもっと徹底してましたけどね(笑)。最初は、伝説の編集者として知られる末井昭さんのもとで、パチンコ漫画雑誌の編集部にいて、その後、アダルト誌に移りました。毎日パチンコをすることが仕事だったところから、その後は裸の現場に入っていくことになった。

——そうですね。僕もコアマガジン出身ですから、その洗礼は大いに受けています。

ケロッピー 僕にとっては、白夜書房の社風がすごい肌に合ったんです。たとえていうなら、当時の白夜は「サファリパークみたいな会社」でした。つまり、一応、大枠の檻はあるけど、そのなかでは猛獣が完全に放し飼いにされていた。極端にいえば、売れる雑誌さえ作れば何をやってもいいという感じだった。いわゆる結果主義ですが、その“自由さ”は僕がもともと持っていたモチベーションとも合致したんです。

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