ドヤ街山谷の現状2019!ドイツ人に向かってホームレスが「ハイル・ヒトラー」と絶叫!! 刃物男、不穏な公園…村田らむが取材!
山谷にもセンターと呼ばれる施設があった。西成や寿町のセンターに比べるとずいぶん小さい、小ぶりなビルだ。『公益財団法人 城北労働 福祉センター』が正式名称だ。窓口では福祉相談、医療相談などをしているし、建物の前で炊き出しをやっていることもあった。
営業時間内は建物内は解放されて、ホームレスたちがくつろいでいた。車座になって話しているホームレスに話を聞く。
「オリンピックの頃が一番景気が良かった。それ以降はダメだ」
「山谷を離れて隅田川のテントを張って暮らしてるが、暇な時は山谷に顔を出している」
などと話めいめいからを聞いていると、真後ろから
「おめー! 俺の悪口言ってるのか! ああ!?」
と大声が聞こえてきた。どうやら僕に向かって怒鳴っているらしい。ビビって振り向けないでいると、ゴソゴソとカバンをあさる音がする。
先ほどまで僕が話を聞いていたホームレスたちが、僕の後ろの人に向かって
「やめろ! そんなもん出すな!」
などと口々に怒鳴っている。どうやら刃物を取り出したらしいというのはわかる。
でも下手に動いたら刺されそうだな……とも思う。「どうしたらいいんだ~!!」と緊張していると、営業時間終了のチャイムが鳴った。ふっと弛緩した雰囲気になったので、そのまま慌てて外に飛び出した。50代くらいの男性は、案の定包丁を握っていた。
山谷で刃物を向けられたのはその一度ではなかった。明治通りを歩いていると60前後の分かりホームレスな男性に話しかけられた。服は汚れて真っ黒、手にはコンビニの袋を持っている。
「すまん時間を教えてくれる?」
と聞かれたので、携帯電話を見て時間を教えると「ありがとう、ありがとう」と何度も感謝された。
そのうち
「今後、お前になにかあったら、俺が守ってやるからな、これでな!!」
というと、ビニール袋の中から果物ナイフを取り出した。
「お前になにかあったら、俺が守ってやるから!! こうやって!! こうやって!!」
と言いながら、果物ナイフをブンブン振り回す。「あ、あの危ないですよ」というと、
「なんだと? なにが危ないんだ!!」
と言って、僕に喧嘩腰になってきた。守ってくれるどころか、攻撃してくるのかい。
僕に対して怒鳴ってきたので、ほうほうの体で逃げ出した。結構酔っ払っていたみたいなので、本気で走れば逃げ切れる。
他にも歩いていたら急に抱きつかれてキスされたこともあった。
今更ではあるが、ドヤ街に行くときはそれなりの心構えをした方が良いだろう。
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2024.10.02 20:00心霊ドヤ街山谷の現状2019!ドイツ人に向かってホームレスが「ハイル・ヒトラー」と絶叫!! 刃物男、不穏な公園…村田らむが取材!のページです。ホームレス、山谷、村田らむ、ドヤ街などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで