ドヤ街山谷の現状2019!ドイツ人に向かってホームレスが「ハイル・ヒトラー」と絶叫!! 刃物男、不穏な公園…村田らむが取材!
さすがに減ってはいるだろうが、全くなくなってはいないんじゃないか? とも思っていた。
しかし、泪橋交差点周辺の明治通りにも吉野通りにも、一台の車も停まっていなかった。そして、労働者を探す手配師の姿も、仕事を探す労働者の姿もなかった。
歩いている人に話を聞くが、「もうやってないと思うよ」という答えしかかえってこなかった。
ただ「センターで日雇い労働者募集してるよ」と言っている人がいたので、向かってみる。確かに仕事は募集していた。ただし特別清掃と呼ばれる、街中を清掃してお金をもらうことができる、昔からある公共の仕事だった。いわゆる日雇い労働とは少し違っていた。
僕が少し目を離したうちに『日雇い労働の街』としての山谷は、完全に終わっていたんだなと寂しい気持ちになった。
ドイツ人クルーには申し訳ないことをしたと思い、一同で玉姫公園に向かってみた。もう日雇い労働がないのだから、泥棒市も終わっているだろう……と思ったのだが、なんと泥棒市は開催されていた。昔に比べたら、数は減っているがそれでも何件もお店が出ている。
トマトとおにぎりを売っているおばちゃんは、イタリア人通訳と話があっていた。はるか昔、ヨーロッパ巡りの旅をしたことがあるそうだ。服を売っているお店、主にエロいDVDを売っているお店、キーホルダーやらなにやらガラクタを売っているお店、と昔とあまり変わらないラインナップだった。
公園の周りには、老人がたくさん座っていた。目が真っ赤で酒臭い人もいた。
話を聞くと
「生活保護で近くのアパートに住んでるよ。まあ特にすることないから、部屋でテレビ見て、酒のんで。朝はこうやって公園来てるね」
と言っていた。周りも同じような人たちだった。ドイツ人のテレビクルーが話しかけると、逆に「どこの国から来たんだ?」と質問を受けていた。少しだけ日本語ができるドイツ人スタッフが「ドイツです」と答える。すると酔っ払って目をはらした老人は右手を上げ、
「ハイル・ヒトラー!!」
と大声で言った。周りの人らはゲラゲラ笑っていた。ドイツ人全員の顔に、苦笑いが浮かんでいた。国際的な苦笑い……なんとも恥ずかしくて見ていられなかった。
ガイドが
「私はイタリア人ですよ」
と言うと、
「そうかねえちゃん!! なら日独伊だ!! 日独伊!! 味方だ!!」
とものすごく楽しそうに笑っていた。たしかに老人ではあるがせいぜいいってて70歳だ。生まれた時には第二次世界大戦は終わってるのに、なんで今さら三国同盟を大事にしてるんだ? と思う。
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2024.10.02 20:00心霊ドヤ街山谷の現状2019!ドイツ人に向かってホームレスが「ハイル・ヒトラー」と絶叫!! 刃物男、不穏な公園…村田らむが取材!のページです。ホームレス、山谷、村田らむ、ドヤ街などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで