シーシェパードらに標的にされる太地町「くじらの博物館」に潜入! セミクジラの200キロ睾丸も発見…村田らむ取材!
当時の様子が屏風に日本画で描かれていた。入り江ではクジラにロープがかけられ皆で綱引きの要領で引っ張って陸に上げようとしている。人力にもほどがある。
陸地ではクジラが解体されていて、部位ごとに積まれている。一つ一つの部位が周りにいる人間よりはるかに大きい。絵を見ながら、なんとなくエヴァンゲリオンを思い出した。
そして捕鯨に使われていた道具も、モンスターハンターっぽかった。銛(モリ)も剣もデカイ。そら相手がクジラなんだから、道具もでかくなる。
現代になるにつれ、武器も進化していく。五連銃は5つの砲身それぞれに銛がセットされている、凶悪な見た目の武器だ。
現代の捕鯨砲は、まるで宇宙戦艦ヤマトかなにかに出てくる近未来兵器みたいな形をしていた。先端部には火薬が入っていて、命中するとかぎ爪が開くという、聞いただけで痛くなるようなシステムをしている。
捕鯨の歴史については、様々な資料を使って詳しく説明してあった。1878年に起きた『大背美流れ』では荒天の中出港し、100人以上が亡くなった……という解説には戦慄した。この事件が起きたおかげで、200年以上続いた古式捕鯨は壊滅してしまったらしい。
日本人も海外の人も捕鯨の歴史には興味がある人が多いようで、皆足を止めてじっくりと読んでいた。
いやはや、とても充実した博物館だった。
館外ではイルカショー&クジラショーもあるのだが、今日は開催時間を過ぎてしまっていたので、明日また来ることにして外に出た。
藤倉さんと合流する。
「いやあ、村田さんがくじらの博物館に入った後、アニマルライツセンターの運動に反対する右翼団体が来て揉めてましたよ。警察もいろいろな地域から集まって来ているみたいですね!!」
ととても楽しそうに話す。
動物愛護団体、右翼、警察官……は全部、僕が苦手な人たちだ。普段はのどかな漁師町に、僕が嫌いな人たちがジャンジャン集まってきているかと思うとゲンナリした。
それから、この日に何があったかは、藤倉さんのレポートを読んでもらうとして、その日は紀伊勝浦駅近くのバックパッカーズ向けのホテルに泊まった。バックパッカーズ向けだというからさぞかし汚いんだろうなあ、と思っていたのだがとてもキレイなホテルだった。
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