シーシェパードらに標的にされる太地町「くじらの博物館」に潜入! セミクジラの200キロ睾丸も発見…村田らむ取材!
翌朝、藤倉さんは僕が苦手な人たちを取材しに出かけて行っていた。僕はホテルに備え付けの洗濯機で、服を洗いながらボーッと小説を読んでいた。
ソファも洗濯機も新品同様だった。店長が来たので、話を聞いてみると、なんでもオープンして数日しか経っていないという。それならキレイなはずだ。
なんでも最初のお客さんはドイツ人の女性と、ロシア人のおじさんだったそうだ。言葉が大変そうですね? と聞くと
「ポケトークがとても便利ですね。普通にやりとりできますよ」
と言われた。ポケトークとは、会話を通訳してくれる小型の機械だ。近日一人で外国に行こうと思っていたので、買ってみようかなと思った。
「どこを観光しているんですか?」
と聞かれたので、太地町を取材していると素直に答えた。話のついでに、
「普段クジラやイルカは食べますか?」と聞いてみた。
「太地町の人たちはクジラ、イルカ食べますよね。僕も昔は食べてました。小学校の頃とかですけどね。でも最近は食べなくなりました。会社つとめしてた頃、名古屋に転勤になったんですよ。そこで『地元ではクジラ食べてますよ』って話をしたら『この人でなし!!』って怒鳴られたんです。それ以来、海獣を食べるのはやめちゃいましたね」
と言われた。人が食べてるモノを指して「人でなし」というとは、なんて人でなしなんだろう。
僕は名古屋出身なのだが、たしかに小学~中学の給食でクジラが出たことはなかった。ただうちの母(名古屋出身)と父(三重県出身)は給食で散々食べたと言っていた。給食で出されたクジラ料理は美味しくはなかったらしく
「牛や豚を食べられるのに、わざわざクジラを食べたくない」という理由で実家の食卓にはのぼらなかった。だから、僕がクジラを食べたのは、社会人になった後だと思う。たしかに名古屋にはあまり海獣を食べる習慣はなかったが、でもクジラを食べてる人に対して「人でなし」などとは思わなかった。
「世の中には嫌なやつがいるもんだな~」と、乾燥機を回しながら考えた。
とても爽やかな朝だったが、なんだもモヤッとした気持ちになった。そんな頃に、藤倉さんが取材から帰ってきた。
そして再び2人で『くじらの博物館』へ向かった。
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